今回はいいね不動産にお邪魔し、オウンドメディア運用歴1年の松村篤さんにインタビューさせて頂きました。
未来電子、そして担当である西との出会いから始まり、ホームページオープン時に100記事以上を投稿されていた松村社長のネタ探しのコツ、メディア運用についての考えをお聞きしました。
(インタビュー:森)
目次
事前にしっかり準備して、特別感を出したかったんです。
ー今日はよろしくお願いします。
(松村篤社長、以下松村)よろしくお願いします。
ーでは、まず株式会社forcusの事業内容について教えて頂いていいですか。
(松村)不動産全般です。不動産投資、住宅の売買、マンション・ビルの管理、賃貸物件の紹介ですね。
ずっと賃貸がメインでやってきたので、賃貸が7割くらいかな。
ー他社の同業種との違いはどんな所ですか?
(松村)空中店舗でやっている所が一番違う所ですね。
普通の賃貸業は1階店舗、駅の近くでやっている所が多いんですけど、オフィスビルで、5階でやっていることですね。
ー空中店舗と1階店舗はどう違うんですか?
(松村)1階店舗で3年くらい働いていたことがあるんですけど、看板を見て来る新規の飛び込み客が多いんですね。
ーそれって集客という意味では良い事なんじゃないんですか?
(松村)そうですね。
ただ、こちらが準備も何も出来ていない状態なんです。
ご予約頂いた方にしっかり準備をして、ひとりひとりのお客様にきちんと時間をかけて対応するために空中店舗という選択をしました。
その分、予定が無い日は何も無いんですけどね(笑)
そもそも、サプライズバースデーみたいにしたかったんです。
ーサプライズバースデー?
(松村)サプライズって、事前の準備が必要じゃないですか。
それと同じように事前にしっかり準備して「えっ、こんな物件もあったんや」とか「今まで行ってた不動産屋と違う」っていう特別感を出したかったんです。
集客自体は自分たちでやらなければいけないけど、僕はこっちを選びました。
声が廊下に響き渡る位で「失礼します!」って
ー集客についてお聞きする前に、未来電子テクノロジーを知ったきっかけを教えてもらえますか。
(松村)不動産屋のホームページを作るためにネット検索していて、未来電子さんを知りました。
電話で問い合わせて、その時に来てくれたのが西くんだったんです。
ーその時の西はどんな印象だったか覚えてますか?(約3年前)
(松村)バチバチに覚えてます(笑)
赤のネクタイで、サラリーマン金太郎みたいでね(笑)
声が廊下に響き渡る位で「失礼します!」って言ってて。
普通の業者の方は、商品の話ばっかりするのが多いんですけど、西くんは信念について話してましたね。
「僕は広告の業界を変えたい!」って。
鮮明に覚えてます。響きましたね。
ー西さん、その時の事は覚えてます?
(西)そうですね。僕は正直、最初の印象は良くなかったです(笑)
黒のTシャツにデニム、ゴツいベルトしていて(笑)
ただ話をしたその日の夜に、事業計画書と経営理念の資料を送っていただいたんです。
それがもの凄い詳細に作られていて。銀行とかに出すレベルの。
衝撃的でしたね。
ーその時はホームページのお話になったんですか?
(西)いや、Facebookページですね。
(松村)そうやね。当時の目玉商品というか(笑)
ーそこから名刺のデザインのご依頼とか頂きましたよね。
(松村)そうですね。
ー少し間があいて、昨年にオウンドメディアのサイトをご依頼頂いたんですが。
(松村)元々ホームページの製作とかを西くんにお願いしたいと思っていて。
ただ、頼めなかったんよね。
(西)そうですね、その当時僕たちにそれを作るスキルが無かったというか。
(松村)物件の登録や管理などの関係で、結果的に5社くらいから選んで1社契約しました。
昨年、オウンドメディアのサイトを作ろうと決めましたが、社内でも反対の声がありました。
その時、他社でもサイトの製作を依頼していて。
ただ、デザインとかは絶対に未来電子さんに頼むっていうのは決めてましたね。
視点を少し変えて「ブログを通じて、社員の教育が出来ればな」と思って、早めたという所はあります。
ネタはいくらでもあると思う、街に出れば。
ーその時「オウンドメディア」というもの自体はご存知でしたか?
(松村)知ってましたね。
(西)未来電子もやり始めていましたしね。
(松村)正確に言うと、未来電子さんで知る前に別の所でやっているサイトを見たことがありました。
その時に、これは便利やな、と。
全くITの事を知らない人は難しいかもしれないけど、ある程度リテラシーのある人であれば、どんどんコンテンツを作れる、って思いました。
それが実際にオウンドメディアを導入する半年くらい前ですね。
ー運用している時のイメージっていうのは、その時から出来ていたんですね。
(松村)そうです、出来ていました。
ーその時のイメージと、実際に運用してみて何か違いはありましたか?
(松村)そうですね、オウンドメディアは一人でやるもんじゃない(笑)
一人でやるもんじゃない、って痛感した一年でした。
(西)広報とかもそうですよね。
社長みずからではなく、秘書や広報がそれぞれのソーシャルとかでアップしていく、みたいな。
でもサイトのオープン前に、100記事以上すでに投稿されてましたよね。
普通はなかなかできないですよ。すごい量で(笑)
(松村)いっぱいネタはあるんでね。
ーみんな普通「ネタがない」って困るんですけどね(笑)
(松村)ネタがないっていうのが、逆に考えられないですね。
(西)常に意識して考えられているから、って事ですかね?
(松村)僕のネタの源泉は「会話」ですね。
相談しやすいキャラなのか、「こんな時、どうすればいいですか?」みたいな相談をよく受けるんですね。
その相談された内容を思い出したら、いくらでも出てくるんですよね。
(松村)ー実際に聞かれた事に対してのアンサー記事を書くと。
(松村)そうそう。
特に不動産をしてると、お客様から聞かれる事が多くて。
そのタイミングで知らないことは、調査してお客様に説明して、更にブログでアウトプットとして投稿します。
ネタはいくらでもあると思う、街に出れば(笑)
(西)いい言葉ですね、ネタはいくらでもある(笑)
(松村)ー街に出れば(笑)
(松村)人と接すればね(笑)
競合他社が少ないキーワードがあれば、ロングテールの法則になる。
(松村)昨日ね、Analytics(※1)見てて面白かったんです。
2015年1〜2月と、6〜7月のデータを見比べてたんですけど、ここ2ヶ月はほとんどがオーガニック検索(※2)なんですね。
(※1)GoogleAnalytics…Googleが提供する、高機能な無料アクセス解析ツール。
(※2)オーガニック検索…有料登録やスポンサー広告などの結果を含まないアクセスの事。
(西)今まで更新したものが資産として溜まってきて、ということですね。
(松村社長)人の悩みの検索がめちゃくちゃ多い。
「入居審査」とか、「契約名義変更」とか、保証会社の名前とか。
あとは、家探ししてても聞かないような専門用語の「権利承継」とか。
聞いたことないでしょ?(笑)
(西)聞いたことないですね(笑)
(松村)マニアックな単語、ニッチなキーワードが入っている、しかもタイトルとかではなく本文に入っているのが検索にひっかかっているんで。凄いな、っていう。
競合他社が少ないキーワードがあれば、ロングテールの法則(※3)になるな、っていうのは実感しました。
広告費が完全にゼロで、何もしてなくて、この状態なんで。
(※3)ロングテールの法則…特定のキーワードでだけではなく、関連する様々なキーワードで出来たコンテンツがGoogleの検索結果に優位になる。
(西)普通の不動産とかだと、広告を出してなかったらかなり厳しいですよね。
ー未来電子のホームページも、かなり昔に投稿した記事が検索で見られることが増えてきましたね。
(西)最初はSNSから流入してきていたものが、徐々にオーガニックに移っていって、徐々に全体のアクセスが増えてサイトが育っていくっていう形になってますね。
途中の1ヶ月2ヶ月で辞めてしまうと、そこを実感するまえに終わっちゃうんですよね。
(松村)半年くらいやろうね。だいたい。
費用対効果が、無限大
ーでは、これからオウンドメディアをお考えの方へ、経験者からのアドバイスをお願いします。
(松村社長)ひとこと言えるのは、絶対にやった方がいい。
というのも、費用対効果をめっちゃ細かい計算式で計算してみたんですね。
某サイトに広告バナーを掲載したら、月に3万円がかかるんですね。月間3000人位のアクセスです。
ただ、そのバナーをクリックする人は「家を探しているか探していないか分からない人」。
なんとなくウィンドーショッピングの感覚で来る人もいる。
そしてその1回だけ来て、終わっちゃう。
オウンドメディアの場合、労働力(人件費)という意味ではかかるけど、基本的には無料で出来る。
内容を変更したい時に、簡単に変更したり改善したり、どんどん質を上げていけるのもいい。
あと今自社サイトでもやっているけど、記事のシリーズ化が出来る。
(松村社長が連載中のシリーズ)
Analytics見ながら、このキーワードの属性が多いから、それについて記事書いてみようとか。
費用対効果が、無限大なんやなって。
いろんな可能性がある、テストマーケティングにピッタリだと思います。
飲食店の人がポータルサイトに掲載して、凌いでる店舗とかありますよね。
不動産も同じなんで分かるんです。
大手のポータルに出したら反響は来る。
分かるんですけど、そこの広告経費というのを一部でも人件費にまわしてオウンドメディアの運用にまわしていくとか。
そういう風にした方がいいんじゃないかな、と自分がオウンドメディアを運用してみて思いましたね。
ー今後、御社のオウンドメディアをどのようなものにしていきたいですか?
(松村)今って検索した時、凄く分かりにくい。
なので分かりやすくしたい。
今は心斎橋というエリアでランチに行く店を探していても、大手ポータルサイトしか出てこない。
お金を出して、そういう所に掲載している店しか見つけられない。
探している人の選択肢が、お金を出しているところしかなくなっている。
本当にその人が探したいものに、辿りつけない。
僕テレビっ子なんですけど、最近のテレビも凄く分かりにくいですよね。
この番組って、こういう感情になれるもの、みたいな。
昔、ガチンコファイトクラブ(※4)っていう番組あったの知ってます?
(※4)ガチンコファイトクラブ…TBSのガチンコ!という番組内の看板コーナー。主に不良少年を集めてプロボクサーをスパルタ風に育成するというもの。
(西)知ってます。僕すごく好きでした(笑)
(松村)あれって凄く分かりやすいですよね、闘争心とか、負けてられない、とか。そういう感情に共感するメディアでしたよね。
今、こういうものを探している時は、このメディア、という明確なものがない。情報が多すぎて、たどり着いても結局フワッとした内容なのでしっくり来ない。
最近、日本に来られた外国の方とお話することがあるんですが、みんな言います。
分かりにくい。どこに行ったら、何を満たせるのかと。
僕が不動産業界でやろうとしているのは、それぞれのエリアに特化したタウン情報みたいなものです。今水面下で進めています。
また、不動産投資の方ではもっとグローバルに、かつ細かく対応できるようなものを作っていきたいと思っています。
セグメントを細かく絞り込んで、その人に届くラブレターのように、マッチしたコンテンツがそこにある。
そこで初めて、メディアとしての機能が果たせるのかなと思ってます。
ーありがとうございました。これからもサポートさせて頂きます。
(西)これからもよろしくお願いします。
プロフィール
株式会社forcus 代表取締役社長
松村篤様
略歴
大学入学を機に徳島県より大阪へ。
23歳の時マンション管理士/管理業務主任者資格、25歳で宅地建物取引主任者資格取得。
28歳、近畿大学法学部を卒業。
29歳、「お客様が探しているエリアの中で、選べるお部屋の選択肢を不動産業界いち提案したい」という想いで、株式会社FORCUSを創業。圧倒的な情報量・知識量で、不動産という業界の中でも珍しい、顧客リピート率の高い不動産に。
株式会社forcus いいね☆不動産
http://373889.jp
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