寒気の中にも早春の息吹が感じられるころとなりましたが、学生の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
数年ぶりにブログを投稿する運びとなりまして、私のひょんな思いつきから生まれた、弊社の新たな取組みをまた皆様に発表できることを嬉しく思います。本日は、学生の皆様にお役立て頂ける新たな社内制度についてご説明差し上げます。
本日皆様に発表致します制度は、
「消滅内定」
と呼ばれる制度でございます。
消滅?内定?頭の中に疑問符が浮かばれましたでしょうか。
これより詳しく説明して参りますので、文体を若干崩させて頂きます。
意味わからんよね!なんやねん消滅内定って!
俺もそう思うわ。でもみんなのその反応、正しい反応やで。
内定なんか、いちばん消えられたくないもんやし、絶対消えたらあかんもんやからな!
ほならなんで内定消してまうねん。その理由教えろや!ってなるのはごもっとも。
そこで、消滅内定の背景にどんな思想があって、なんでこれを始めようと思ったのか。その辺の細かいところを書いていくわな。消えてしまう内定の利便性と合理性について書いていくから、ちょっと時間あるなら読んでみて。
新卒採用を積極的に行う意思決定
そもそものところから書くで。学生のみんなからしたら分かりにくい感覚かもしれんけど、俺は学生に対して内定を出すという行為に対して、ずっと申し訳ない気持ちでおったんやわ。
なんでかって言うと、
「だってこんなクセの強い会社の内定やで?」
「誰が内定なんか欲しいねん!」
「みんな大手に入りたいって思ってるよ。」
かんたんに言うとこんな気持ちやね。好きな子に告白しないことを、いろんな理由をつけて逃げてるだけのやつ。ビビってるんやね。
だから、これまでうちの会社に新卒で入ってきた子たちは、お互いが好き同士ってわかって断られない可能性が高くなってから告白してきた。
俺「俺、前からお前のことが好きやねん!」
学生「僕もです!」
って感じ。
この文章だけみると、すげぇ気持ち悪いよね。
でもな、この会社に対して自信がないからビビってるとかそんなんじゃないで。むしろ変に自信があるからこそ、こうなってもうてるんかなと俺は思ってる。
メンバーはみんなおもろいし、会社としてまだまだやりたいことも夢半ば。いろんな可能性を秘めた若者が集まってる会社やからこそ、このおもしろさが理解できる人だけに来て欲しい。そんな気持ち。
表面上はええ感じに聞こえるよね。
この想いを裏を返してみると、自分らがおもろいと思っていることを否定されたくない。ほんまは誰も魅力的なんて思ってないし、俺は井の中の蛙のひとりよがりなんかもしれん。
みたいな自己否定があるんでしょうね。自分の中に。ほんま売れない草芸人とか売れないバンドみたいな考えやね。
これはあかんなと。こんな腐ったマインドしてたら社員にも申し訳ないし、ビビらずにもっとオープンにならなあかん。ほんまに好きな人にはフラレてもええからバシバシ告白していこうと心変わりした34歳の冬でした。
今年から変えていくぞ!という強い想いを胸に秘めながら、日々趣味の仮想通貨のトレードに勤しんでた時に、明日の新卒採用イベントに空きがあるので出ませんか、とひょんなことからお呼ばれしました。
採用イベントに参加して起こった心境の変化
正直、新卒採用イベントには学生時代に参加したこともなく、会社としても出展したことがないからこそ、何を話したらいいのか全くのノープラン。ただ、話を聞いてくれる学生の時間は無駄にしたくないということは常々意識してる。だから、その日もいつも大学の講演や社内の学生レクチャーで定評がある話をすることにした。時間投資家の話ね。結果、それが良かったと思う。
新卒採用の固定観念から抜け出した話やから、自然に自分たちの会社の雰囲気を伝えられた。
こんなこと考えてまっせ、クセ強いでっせってな感じに。
たくさんの学生が興味をもってくれて、話を聞きに来てくれたので、俺らにしては良いイベントになった。
でも、改めて思ったけど、新卒採用イベントって、
学生にとっては難しいゲームやね、あれは。
難しくしてる原因は、企業と学生の判断基準の有無に尽きる。当然企業サイドは、どんな人を採用したいのか判断基準が明確になっていないと参加する意味すらない。ただ、明確に判断基準を設定していてもイベントで得られる情報だけでは誰も選べないことは事実。
だからマトリクスの変数を減らして、最終的にはうちに興味がある学生の「とりあえず」母数を集めることやーって発想に変わる。
ほんで反対に、学生サイドの判断基準を探ってみた。座談会でフィールドワークとして足元の状態をヒアリングやね。結果、企業選びの判断基準がない学生が大多数。まぁ、当然っちゃー当然。「私は判断基準あります」って学生でさえ業種業態レベル。
業種業態ってのは判断基準ではなく「判断材料」やね。たとえ業種業態が興味があるものでも、いざ自分が現場でやる仕事を動詞でみてみると、業種業態に全然関係ない仕事をやることがほとんどやからね。
だから基準とは言わず材料になる。判断材料は意思決定時の補完情報に留めておくのがベター。そんなもんを基準にしてもうたら、入社後変更せざるを得なくなる可能性大。危ないよね。判断基準がないのに判断材料を増やすことで、問題をさらに複雑化していく。このことはスティーブ・ジョブズも言ってる。
“多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ”
-スティーブ・ジョブズ 1955年2月24日 – 2011年10月5日-
タンジブルになるまで自分の本当の気持ちは自分でも分からへん。だから形のあるもんを見せてくれ!でも見せれるものはその場にない!さぁどうする?
その答えが判断基準ってことや。企業を選ぶためには判断基準が必要。判断基準がないから、とりあえず判断基準と思い込んでいる判断材料を増やす。でも材料をいくら増やしてもそもそもの基準がないから選べない。
判断基準を持たない学生に対して、とりあえず母数を求める企業が自社の情報を投げかける。結果、学生の選択肢を無駄に増やしてしまう。選択肢が多いことは良いことと思われがちやけど、学生を苦しめる結果にしかならへん。一度手に入れた魅力的にみえる選択肢を複数殺さあかん状況を想像して。地獄やろ?
複数の中からひとつだけを選ぶことってめちゃくちゃしんどいからね。だから内定をもらっても就活を終わらせられなくなる。
サルトルの言葉知ってる?
“人間は生まれながらに自由という名の刑に処されている”
人間は自由であればあるほど幸福度が下がる生き物。選択肢を無限に増やせる状況下ではなかなか精神は安定せぇへんよね。選択肢が少なければ幸せかというとそうでもないけど、情報を遮断してほんまに必要なものを吟味することの方がよっぽど大事。
じゃあ現時点でどうしたらええねん!答えないやん!
この社会の仕組みにすげー矛盾を感じる。無限ループの無限地獄。どうすれば自分の就活を効果的に進めることができんねん。もうわからーーーん!!!
というあなた、本日の商品の登場です。
それがこちら、
「消滅内定」
具体的に決めすぎると判断材料になるので抽象的に留め、且つ実際に現場を知っているからこそ感情的理解ができているそんな判断基準。
抽象的且つタンジブルな判断基準を一つ目に持つことで、あなたの就活をバラ色に変えてくれる優れものの商品です。
それでは効果効能のご説明を致します。
消滅内定の効果効能
消滅内定は、あなたにとって1つ目の内定であることが要件です。なぜならそれが消滅内定が最も効果的に働くシチュエーションだから。消えるタイミングはシンプル。
2つ目の内定をもらった時に消える。
これが意味するところは、未来電子の内定を就活の時の判断基準にしてくださいということです。しかも未来電子から消滅内定をもらうレベルまで進化している学生であれば、うちのことはある程度理解できているはず。感情的に入社したいか否かはぼんやりとした基準にすることは可能なはず。
なんでも基準があれば考えやすいんですよ。考える時に単に比較するだけでええから。
比較になるとなぜ簡単かというと、思考の瞬発力の高さに比例するから。思考の瞬発力が低ければ比較する変数はあまり思い浮かびません。無限に比較要素を思いつけるほど思考の瞬発力が高い天才学生は就活してないですから。
つまり、比較という手段をとる場合、基本原理として変数の数は少なくなるように働きます。
そして、新しい内定先を見つける時に、未来電子の内定を消滅させてでも手にしたい内定かどうかを比べるだけでよくなります。さらに消滅するという条件があるので、新しいものを手に入れるときに手放す思考の併用も可能になる。
手放すという考えは思考を深めます。深い思考は意思決定に重みを与え、重みのある意思決定には握力が備わります。それで新たに選んだ内定先はちょっとくらいのことで手放さないようになるという寸法。みんなが幸せになる。
また、未来電子からだけでも内定をもらっていることで、精神的な余裕も出ますよね。本当に無駄なことに時間を割かなくてよくなります。虎視眈々と狙いすました企業の内定だけに一直線で時間を使えます。
このようなポジティブな効果効能を持つ商品が消滅内定です。
消滅内定まとめ
どうでしたかか。就活に悩める未来電子のインターン生にはぜひ活用してもらいたいと考えています。未来電子としても積極的に学生に対して発行できる内定になるので、本当に一緒に働きたいと思っている学生にはバシバシ気負いなく出していきます!
最後に消滅内定が持つパワーをまとめて終わります。
1.消滅内定を1つ目の内定にすることで企業選びの判断基準ができる
2.消滅内定を手に入れた後の意思決定基準は比較だけになる
3.本当に狙いたい企業だけに時間を使える
4.内定を持っていることで精神的余裕が生まれ活き活きとした就活ができる
5.内定を持っているインターンということで企業アピールになる
6.相手方企業にとっても消滅するので辞退されるリスクがない
こんなところでしょうか。どこかの内定をもらって、それでもやっぱりうちの方が良かったとなれば、もう一度消滅内定をもらえるように頑張ればいいだけですから。やり直しはいくらでもききます。
就活がんばってください。
追伸
今度、2回生(4月から3回生)の学生向けに、自分の市場価値を高めるための考え方について、講演会をすることになりました。
もし良かったら聞きにきてください。
お話しましょう。
3/13(火)18:00~20:00
3/22(木)18:00~20:00