2014.8.19

社長が職人タイプになってはいけない理由

Chief Operating Officer インターン

西 光弘


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おはようございます。にしです。

今回は、マイケル・E・ガーバーが提唱している
3つの人格について書籍を引用しながら更新していきます。

調和のとれない3つの人格

事業を立ち上げようとする方々は、
「起業家」「マネジャー」「職人」と3つの人格を持っていると
マイケル・E・ガーバーは提唱しています。

そして、どの人格も主役になろうとしています。

そのため、一人の人間の内側で、
人格同士が主導権争いを始めてしまうのです。

勢力争いをしている様子を、
「太っちょ」「痩せっぽち」の二人を例にして見てみましょう。

誰にもダイエットの経験があるかと思います。
テレビの前に寝そべって、サンドイッチでも食べながら
ボクシングを見ている。
選手が見せる抜群のテクニックやスタミナに感嘆の声を上げている。

しかし、手に汗握る試合を見ながら、自身は二時間以上も
寝そべったままの状態。そんなときに突然、誰かが自身の中で目覚める。

「何してんねん?」「自分のおなかを見ろ?」「何とかしろ!」

こんな経験は多くの方々があると思います。

自分の中で「誰か」が目覚め、今までの自分とは全く別の
「あるべき自分」と「するべきこと」を主張しはじめます。
ここでは、「誰か」「痩せっぽち」と呼びましょう。

痩せっぽちとはいったい誰なのか?

痩せっぽちには、自制・訓練・組織という言葉がよくあてはまります。
自分にも厳しく他人にも厳しく、細かいことに妙にこだわる、
独裁者のような性格の持ち主です。
じっとしていることができないので、常に動き回ろうとします。
当然、痩せっぽちは太っちょが大嫌いです。

こんな痩せっぽちが、突然自身の人格の主導権を握りはじめます。
これがきっかけとなり、自身が変わりはじめます。

肥満の原因となる食べ物は食べずに、
ジョギングをはじめる。

1日目1キロ減量に成功。2日目1キロ減量に成功。
3日目トレーニングメニューを増やして2キロの減量に成功。

毎日体重計にのるのが楽しみになってくる。

4日目体重計に乗ると、何も変わっていない。

がっかりして心の中は、うっすらと怒りの気持ちがわいてくる。
「あれだけ運動したのに?」「あんなに汗かいたのに?」
割に合わないかなぁ?とは言いながらも「また頑張ろう」と意気込み。

そして、5日目はもっと頑張ろうと決心をして眠りにつくが、
朝になると、変化に気付く。

雨が降っていて、部屋が寒い。 何か違う感じがする。
何だろう?しばらくの間は、それが何なのかわからない。
時間がたつにつれ、やっとわかりはじめる。
「誰かが自身の中にいる。太っちょだ。ヤツが戻ってきた。」
彼は走ることを望んでいない。

食べ物を好きなように食べて、ランニングをしなくなる。
自身の中に、太っちょが戻ってきてしまった状態である。

これは多くの方々が経験されるいるかと思います。

いつのまにか、一人の人間には1つの人格しかないと
思い込んでいるのではないでしょうか?

痩せっぽちがダイエットを決意したときは「自分」
太っちょがすべてを台なしにしたときも「自分」
しかし、これらは間違いです。

決断したのは「自分」ではなくて、「自分たち」。

痩せっぽちと太っちょの性格は正反対なので、
二人をうまく両立させることはできない。

それどころか、主導権争いを始めるために、
行動に一貫性がなくなります。

同じようにして、経営者の内側では、
「起業家」「マネジャー」「職人」という三つの人格の争いが
起きています。この3つのことを理解するためにも違いを見てみましょう。

 

 

「起業家」 変化を好む主義者

起業家とは、ささいなことにも大きなチャンスを見つける才能を
もった人です。ときには理想主義者と呼ばれます。

将来のビジョン、周囲の人たちを巻き込みながら、
変化を引き起こそうとする人物こそが起業家です。

また、起業家は未来の世界に住む人であるため、
決して過去や現在にとらわれることなく

「次に何が起こるのか?」「どうすれば実現できるか?」といった
問題を考えるときに幸福を感じます。

 

「マネジャー」 管理が得意な現実主義者

マネジャーとは管理が得意な実務家です。

マネジャーがいなければ、計画さえ立てれずに、
事業がうまく回りません。

起業家が未来に住む人であれば、
マネジャーは過去に住む人なのです。

 

「職人」 手に職をもった個人主義者

職人とは、自分の手で動かすことが大好きな人間です。

起業家が未来を生き、マネジャーが過去を生きているとすると、
職人が現在を生きる人です。

 

 

ここまで読んでくださり、3つの人格の違い、
そして、自身の人格は1つではないと理解頂けたかと思います。

誰もが、「起業家」「マネジャー」「職人」と3つの人格を
持ち合わせています。そして3つのバランスがとれたときに、
驚くような能力を発揮します。

起業家は新しい世界を切り開き、マネジャーは事業の基礎を固める。
そして、職人は専門分野で力を発揮します。
それぞれの人格が最高の働きをすることで、
全体として最高の結果を出せます。

しかし、3つの人格をバランスよく備えている人は
ほとんどいません。

起業家の人格は高い目標を掲げる。そして、マネジャーの人格が、
起業家の暴走を止めようとする。起業家の人格とマネジャーの人格が争う。
その間に職人の人格が現れて、いつのまにか主導権を握ります。

事業全体から見れば職人の人格が主導権を握るのはよくありません。
なぜなら、間違った人物が主導権を握っている状態だからです。

事業全体=会社経営で考えると、
起業家の人格が主導権を握るべきです。

 

社長が職人の人格になっていないか?

自身が勤めている会社の社長を想像してください。

社長が、営業、事務作業、顧客対応など
全ての業務をこなしてはいないでしょうか。

全ての仕事を社長が行っている会社は
とても危険な状態です。

職人タイプの集団が集まっている傾向にあるため、
会社の成長が見込めない可能性が高いです。

なぜなら、職人が変化を引き起こそうとする人物ではないからです。
変化を引き起こす人間は起業家なのです。

そのため、会社を成長させたいと考えいる方は
社長のタイムマネージメントを劇的に変化させることが必要です。

今までのように現場で活躍することではなく、
「次に何が起こるのか?」「どうすれば実現できるか?」など
起業家の配分を社長に多くとってもらうことが重要です。

そのためにはマネジャータイプの人格を育てること (マネジャータイプの人格見つける)

スモールビジネスを展開している社長は職人タイプになりがちなので、
会社の発展・成長を望むのであれば職人タイプから必ず脱失する必要があります。

ここまで読んでくださり、社長が職人タイプの人格では
会社の発展・成長は見込めないと理解頂けたかと思います。

社長は「起業家」の時間を長く使える環境を整えていきましょう。


この記事を書いた人

Chief Operating Officerインターン

西 光弘