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うさこ
最近後輩インターン生ができたインターン生。
最近少しずつ、できることが増えてきてはりきっている。
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エマ先輩
いろいろうさこに教えてくれるインターンの先輩。
今日からプロ野球開幕でそわそわしている。
インターン生は会社で何をするの??
- エマ先輩・・・相談があるんですけど・・・
- どうしたん、めっちゃ暗いやん。変なことに悩まんと、開幕戦見ようや!
- いや、真剣な話したいんで、タオル置いてもらってもいいですか。
- (こんな大事なときになんやねんこいつ)
- 今、インターンの後輩のキャリアプランというか、何をしてもらうのか考えているんですけど、どうしたらいいのかわからなくなって・・・
- 何をしてもらうのかってどういうこと?
- やっぱり入ってきたばかりのインターン生だと、まだまだスキルがないので、できることとできないことが限られているなぁって思って・・・
- そんなん当たり前やん(笑)
- だから、できることからやってもらおうと思うんですけど、それって作業的な業務が多くて・・・
- それほど専門的な知識が必要とされていない業務ってこと?
- はい。でもせっかくインターンに来て成長しようと思っているのに、そんな作業をさせるなんて「かわいそう」って思って・・・
- かわいそう?
- はい、だって、作業してても成長しないですよね。せっかく専門的なスキルをつけようとしているのに、作業させるだけなんてギブアンドテイクじゃなくて、会社にテイクしてもらうばっかりになってしまうじゃないですか。
- じゃあ、うさこは、私が今インターンでしている業務は作業だと思う?
- いいえ。何しているのかよくわかっていないですけど、クリエイティブなことや勉強をしてスキルつんでいると思います。
- そっか。じゃあ営業のインターン生は?作業していると思う?
- いいえ。作業じゃなく、営業力をつけていっていると思います。
- うーん。じゃあなんで自分のやっている業務は作業だと思うの?
- 自分がそんなに知識なくてもできていることだからです。
- 入ったばっかりの時にその業務やっている先輩を見て、どう思った?
- うーん、あんまり印象にないです。なんかIT業界は全く知らないことばっかりだったので、何をやっても新しいことばっかりだった気がします。
- そうやんな。自分が今の業務に慣れてしまっているだけで、その業務を全くやったことない人にとっては、それって新しいチャレンジをすることになるんじゃない?
- たしかに。
- それに、何か大きなことをしようとしても、一つひとつの工程はやっぱり作業のようになってしまうよ。
- でもそれをただの作業にするかどうかは、その人自身の問題なんじゃない?
- どういうことですか?
- わかりやすく、電話営業を例にしてみようか。
- さっき、営業力をつけるために、電話営業をすることは作業じゃないと言っていたよね。でも、電話をかけたり、リストをあつめたり、ひとつひとつの業務に落としこんだら、それって作業みたいになってしまわない?
- 確かに、電話をかけることってだれでもできますもんね・・・
- でも、その電話をかけることひとつとっても、みんな違うでしょ?
- トークスキルとかですか。
- もちろんそれもそう。それに、どのように経験値に落としこんでいくのかっていうのも全然違うよね。
- もっとわかりやすくお願いします。
- (もう、野球集中したいのに、今日かなりつっこんで聞いてくるなぁ・・・)
- ちょっと、TV見てみ。
- 野球ですね。サッカー派なんでルールすら分からないです。
- うん、今試合はいいから客席みて。ビール売ってる人おるやろ?
- ビールの売り子さんですか?
- うん。この売り子も営業やねん。おっもい樽せおって、手上げてビールいかがですか〜?って言うなんて誰でもできることやって思うやろ?
- まぁ確かに。
- その通りで、ちょっと研修受けたら、同じことはほとんどの人ができると思う。
- でも、売れるか売れないかは人によって大きく違うねん。同じ場所で売ってても、1日で10杯しか売れないキャストもいれば、200杯売るキャストもいる。
- それがどうしたんですか?かわいい子の方が売れるでしょ。
- って思われがちやけど、容姿だけじゃないよ。
- 売れる人は、ビールを売ることをただの作業にしてないねん。
- どういうこと?
- 天気や湿度、お客さんの入りやゲーム内容をチェックして、今日の売れ行きをチェックしたり、リピーターになってもらえるようにコミュニケーションをどうとるのか工夫したり、どうしたら効率的に動けるのか考えたり、やり方を毎回変えてデータをとって、他の人がやっていない小さな工夫をしていたり・・・
- 一見するとただ売っているだけに見えても、その裏にはいろんな工夫があるし、それから学べるものって色々あるし、ビールを売ること以外にも生かせるスキルになっていくよね。
- 確かに。
- このことは電話営業にも言えるし、他のどんな仕事にも当てはまると思う。それに、何回かやっただけでもやったことがない人と比べると雲泥の差があると思うよ。
- でも、ひとつ言えるのは、その「業務」を「作業」と思えるようになるまでにならないと、ただの「作業」のままになる可能性が高いってこと。
- めっちゃわかりにくいんですけど・・・
- さっきのビールを売ることを例にすると、まず一連のフローを覚えて、問題なくその業務を作業のようにできるレベルにならないと、その他のことに気を配ることはできないよね。
- ビールの注ぎ方もわかっていないのに、今日の気温と湿度、そしてゲーム内容的に・・・とか考えられないでしょ。
- たしかに。
- だから、その業務を問題なくできるようになってから、それを作業にするか、そこからそれ以上の学びやスキルをつむのかはその人自身の問題だと思うよ。
- うーん、なんとなく言いたいことは分かりました。
- うん。で、サポートしてあげるとしたら、どこに目をつけてやったらいいのか、とかを教えてあげるといいんじゃないかな。
- うーん、でもやっぱり一つのことばかりやらせるのはかわいそう・・・
- そのかわいそうって感覚がわからんのやけど。
- じゃあ何をしたらかわいそうじゃなくなるん?
- もっとスキルアップできるように、いろんなことをやらせてあげる。
- まぁ、それでもいいと思うけど・・・
- いろんなことをやらせるって、逆にいうと、何もできない人になりそう。あれもこれもやるより、まずひとつのことを徹底的にできるようになるべきじゃないかな、と思うけどなぁ。
- インターン生なら特に。会社で働かせてもらっているだけでそれって、Take。だから、会社へのGiveができるのは、その一つの仕事をプロフェッショナルとしてできるようになるということじゃない?
- それもできていないのに、あれもやりたいこれもやりたいってそんなTakeばっかりの甘いもんじゃないよ。それに、やりたいのなら、自分から勉強して、できるようになったらいいんじゃないかな?それで、これができるのでやらせてください!って提案したらいいと思う。
- まぁ、それができたら理想かもしれません・・・
- それに、本当にスキルアップしたい人なら、一つのことをやっているうちに、少しずついろんな方向のスキルもつけていって、最終的に色々できるようになると思う。
- だから、Takeさせることばかり考えなくてもいいんじゃないかなぁ。
- 話が広がりすぎて、終着点が見えなくなってきました。
- つまり、一つの仕事を徹底的にできるようになってもらう過程や、その後で学ぶことは多いということですね!
- うん、どんな仕事でもそれをスキルにするのかどうかは自分自身。
- 先輩がすることは、それをただの作業にしてしまわないような視点をつけてあげることじゃないかな、と思うよ。
- ありがとうございます。自分でももっと考えてみます。
おわりに
この話、みなさんどのように感じましたか?
私の考えは、ぴんくうさ(エマ先輩)です。
黒うさ(うさこ)のように、仕事を「作業」といい、それをやらせるのは「かわいそう」をいう人は、ただ「やる」ということ以上の視点を持てていないだけの気がします。
どんな仕事でも、それ以上の学びがあるはず。
その学びを活かしながら少しずつ専門性をつけていってキャリアをつんでいく。
キャリアアップのための仕事にするのか、ただの作業にするのかどうかは自分次第。
みなさんはどう思いますか?