京都

「そうだ京都、行こう。」は、なぜいいコピーか?

日時 2017年12月07日(13:30~14:30)
開催地 未来電子京都オフィス
住所 リベルタス御池5F
参加費 無料
定員 10人
服装

有名コピーをいくつか挙げて、「そのコピーは、なぜいいコピーと言えるのか?」を探っていきます。その中から生まれるコピーの原則を抜き出して、みんなが使えるように整理していきます。最後にはアクティビティもあります。人を動かす表現をお教えするので、ぜひご参加ください。


今回のコピーライティング講座は13人の方の受講いただきました。

受講いただいたみなさん、ありがとうございます。

今回は有名コピーを解説しながら、そのコピーから示唆されるコピーの「原則」。これをみなさんに講義したあと、みんなにコピーを書いてもらいました。

 

そうだ京都、行こう。

このコピーを知らない人は多分いないでしょう。それだけ有名になっているキャンペーンコピーです。

もちろんいい意味で有名なので、このコピーはいいコピーです。数多のコピーライターの方々もこれは優れたコピーだと仰います。

しかし、転じてこのコピーが伝えていることは何かと言えば、「(JR東海なら)思いつきで、京都に行けますよ」と言っています。

こう伝えているとしたときに、このコピーはあなたに刺さりますか?

 

 

・・・もちろん刺さりません。優れたコピーと言われるこのコピーが、いまは誰にも刺さらない。なぜか。

 

コピーは、表現以上に「時代」をとらえたものでなくてはいけません。

「そうだ京都、行こう。」キャンペーン時、新幹線の「のぞみ」が本格的に運転が始まりました。これまで首都圏に住む人たちにとって、京都は気軽に行けるような場所ではありません。さらに、当時はバブル景気の余韻から、海外旅行に行けばカッコいい(笑)な空気が残り、まだ海外旅行のステータスが高かった時代です。だからこそわざわざ苦労して国内旅行するぐらいなら、海外に行きたい、そんな空気感でした。

そして、バブル崩壊から社会不安の雰囲気があり、派手な遊びから安らぎを求める潜在意識が生まれていた、そんな時代です。(ここは仮説ですが。)

そんな状態にある人びとの前に、「そうだ京都、行こう。」のキャンペーンコピーとともに、京都の日本人が本能で安らぐようなビジュアルが駅の至る所で飛び込んでくるわけです。

その当時だからこそ、「そうだ京都、行こう。」と人びとは思い、京都観光が盛んになったわけです。

 

コピーを書くときは、「時代を読む。」これが1つの原則です。

すべての原則は長くなり過ぎるので書けませんが、こういった原則を優れたコピーから学んでいくことが、成長への第一歩ではないでしょうか。

 

受講者No.1コピーたち

受講者の方々にはコピーを書いてもらいましたが、いきなり非常にハイレベルでした。ぼくもうかうかしてられません。

大阪、京都それぞれのNo.1コピーを最後にご紹介しておきます。

 

 

課題「こたつのコピー」

 

– 大阪1位「たまには寝おちもイイやんか。」

– 京都1位「お父さん、足蹴らんとって。

 

 

でした。
同じこたつのコピーなんですが、切り口がまったく違うのが非常に面白いです。
大阪1位のコピーは、こたつで寝落ちする、という体験は誰もが一度はしていると思いますが、そこにある謎の罪悪感と、妙な気持ちよさ。これを「たまにはイイやんか」と口語で肯定してあげることで、現代のせわしない忙しさから離れたいと感じている社会から「ほんまそれなー」と共感を誘う、質感のいいコピーになってます。
京都1位のコピーは、こたつを「コミュニケーションツール」と再定義して訴求しています。大抵家族に1台(?)しかないこたつに、冬以外は部屋にこもっている娘(息子)も流石にリビングに集まってきて、「お父さん、足蹴らんとって。」とか言いながらもこたつから離れない、家族団欒の1シーンを売ることができています。シーンが具体的でイメージが湧いてくるのがとてもいいですね。

 

今回の講義はこのような内容となりました。さすがにまだ次回は未定ですが、次回もコピーは書いてもらおうかと思ってます。

では、また次回。