おはようございます、営業部の馬越です。
営業とは心理戦です。
営業マンが商品やサービスを売り込む姿を見てみると、お客さんから質問を受けたり、こちら側から質問をしたりしますよね。
お客さんにとっては、ただの質問だと思いますが、営業マンにとっては心理戦の始まりなのです。
実は、営業マンが質問する目的には、情報収集だけでなく「意識した結果への誘導」があります。
では、誘導する際に、意識すべき3つの観点をお伝えしていきたいと思います。
□相手の頭に浮かぶ言葉を意識する
一つ目は、「言葉選び」です。
質問する際には、目的に合った言葉を選ぶようにしなければなりません。
例えば、夫のボーナスが入り使い勝手のいい洗濯機を探しているお客さんがいます。
「乾燥機能付きで洗濯物によって洗い方が選べる最新の洗濯機があります」と言うのと
「デザインがとてもおしゃれで価格もお手ごろな洗濯機があります」と言うのでは、効果が全然違います。
お客さんの頭に浮かばせるのが「便利」「最新」という言葉か、「おしゃれ」「お手ごろ」という言葉かにより、その後の行動に影響が出ます。
細かい言葉の積み重ねが行動に影響を与えてしまうのです。
□前提事実を確認する
二つ目は、「質問の前提」です。
営業マンがよく「赤色のTシャツと青色のTシャツ、どちらを購入なさいますか」と言ったりします。
一言も買うと言っていないのに、買うことを前提に質問しているのです。
人は、どうしても質問されると一度頭で考えてしまうものです。
それが誘導の質問だと分かっていても、一瞬、どちらが似合うだろうかと考えてしまいます。
□行動に「一貫性」があるかどうかを問う
三つ目は、「一貫性」です。
人は、一貫性を保とうとするために、過去の言動と同じように振る舞うという習性があります。
営業マン:「素晴らしいお庭をお持ちですね」
お客:「ありがとうございます!かなりのお金をかけたんです」
営業マン:「そうなんですね。ただ、少しスペースがあり、まとまりがないような気もします。まあ、極上か上かくらいの差なんですけどね」
お客:「確かに。何か置いた方が良いですか?」
営業マン:「そうですね、重圧感がありそうなものを置くとまとまりが良くなり、さらに良いお庭になりそうじゃないですか?例えばなんですけど………」
このような流れで買ってくれるとは限りませんが、即決で「いらない」と断ることは難しいでしょう。
なぜなら、それまでの質問でスペースを埋める必要性を認めているからです。
よって、その必要性を否定する「いらない」という回答はしにくくなり、もし断る場合でも「合わない」とか「お金がない」などと、なんらかの理由をつけてくるはずです。
質問から行動までの動線を作るためには、「一貫性の法則」を使い、目的に結び付く価値観、相手の規範、状況を事前に発現させておくことが効果的といえます。
□最後に
上記の3つの観点、「言葉選び」「質問の前提」「一貫性を意識する」ことで心理戦に勝つことができ、質問で人を動かせる確率が格段に上がるでしょう。