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『働く』もポートフォリオを組む時代に。


ライフ・シフトという本が、日本でも話題になりました。著者はロンドン大学ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏で、一大旋風を巻き起こしたワーク・シフトの著者でもあります。

ワーク・シフト、ライフ・シフトでは新しい時代の働き方、そして人生戦略が語られていますが、その背景にあるのは「これだけ大きく変化した、そして変化していく時代において、いままでと同じワーク、ライフでいいはずがない。」という問題意識でしょう。背景にあるこの問題意識は、堀江貴文氏、落合陽一氏といったビジネスに精通した著名人たちが、「多動力」「ワークアズライフ」といった独自のコトバで伝えてくれているものでもあります。

そしてライフ・シフトの中で、この時代を象徴する「ポートフォリオ・ワーカー」という働き方が語られていました。このコトバが直感的にわかりやすく、非常に本質をついた考え方だと思ったので、この時代の新しい働き方を「ポートフォリオ」という視点から考えていきたいと思います。

 

 

そもそも、ポートフォリオとは

 

ポートフォリオは元々、「書類入れ」を意味します。複数の書類を1まとめにして持ち運ぶことができるものを表しています。クリエーターが自分の作品などをまとめ、自分の力量を見せることができるものも「ポートフォリオ」と呼びますね。

つまり、「集めて、まとめるもの」をざっくりと概念的に表したコトバであると言えそうです。そして、投資においてもポートフォリオは用いられており、ここでの使い方がライフ・シフトのポートフォリオ・ワークの説明に最も近いものになっています。

投資においては、投資対象の投資信託や株式の組み合わせのことを指します。つまり、どこにどれだけ投資したのかが投資者というフォルダにまとまっているようなイメージですね。ここまでは基本的に同じです。しかし、投資ではポートフォリオの「中身」にまで意味が及びます。

投資ではポートフォリオ理論という理論が用いられます。この理論は、投資対象を複数組み合わせて投資効率を最大化させるための理論ですが、根底に「リスク分散」という考え方が含まれています。

基本的に、投資では1つの銘柄だけにすべて投資するというやり方はしません。1つの銘柄しか持っていなければ、その1銘柄がダメになった瞬間に大ダメージを受けてしまいます。

様々な銘柄のリターンでリスクを補いながら、全体としての利益を目指すことが投資では半ば常識になっています。投資における「リスク分散」の意味を含んだポートフォリオこそ、ライフ・シフトにおけるワークのあり方です。

 

 

『働く』のポートフォリオ

 

現代、特に日本においては就職=1つの会社に勤める、というイメージが未だ強く残っています。「就社」とも揶揄されますが、働いた経験のない学生もこのイメージは多少なり持っているのではないでしょうか。

これは「高度経済成長期」にとにかく人を大量に集めるため、終身雇用と高待遇で人材を囲っていた時代の名残です。つまり、経済が成長し続けることが大前提の雇用慣行なので、この時代においては前提がそもそも合っていません。そのため、持続可能性はかなり低い。

前提条件が崩れ去ろうとしている中で、1つの会社に収まり、その中で生き残るために働くという発想は、それこそ1つの銘柄に人生をすべて投資するようなもの。非常にリスクの高い投資です。

「働く」も分散投資をする時代の働き方。それがポートフォリオ・ワーカーという働き方です。ポートフォリオ・ワーカーは副業を自由にこなしながら、場所に縛られずに様々な仕事の経験値を集めていくモデルです。投資するものは時間。自分の時間を1つの場所ではなく、様々な領域に投資をしてポートフォリオを組んでいくということです。

1つの会社に所属せずにいろんな企業を転々としろ、という話ではありませんよ。あくまで1つの企業に「安住」しようとするのが危険だという話なのです。

もし今いる企業が倒産したとして、それでも生きていくにはどんなスキルセットが必要なのか。それはどこで、どんな経験を積むことで手に入るのか。そうやって「所属」という枠組みを超えて、自分が生きていける場所を広げるためのポートフォリオを組み込んでいく働き方が、変化が激しすぎるカオスな時代の働き方になっていくのでしょう。

 

 

変われない社会で

 

とはいえ、日本社会そのものが変化に対応できていない現状もあります。副業もできないし、SNSで発信することすらNG、という会社も多い。

その企業がいかに優れ、大きな会社であっても、『仕事ポートフォリオ』を組まなければいけないこれからの時代に、そういった企業に身を置いてしまうことは大きな機会損失を被ることになってしまうかもしれません。

その企業へ身を置いていなければ、副業・発信を通じて自分が働く場所を1つ増やせたかもしれない。自分のフォロワーが増えたかもしれない。市場価値がもっと高まっていたかもしれない。

いまは年収や規模などの情報に頼って働く場所を決めざるを得ないかもしれません。まだまだそういう社会です。しかし、これからの時代を生きるあなたたちは、ぜひポートフォリオという視点を持ってほしい。

自分の目指すポートフォリオを組んでいくために、この会社で働くことはプラスか、そうではないか。そうやって自分を中心に考えてもいいはずです。会社にすべてを捧げる。そういう人がいてもいい。でも、それを望まない人だっているはずです。たくさん。今は向かっている方向が一緒だから、その会社に乗る。向かっている方向が合わなくなったら、降りたって構わないんです。

最後にあなたが立っていたい場所をイメージして、そこにいる自分をイメージしてみてください。その人は、どんな経験を積んできましたか?どんなことができて、誰と仕事をしていますか?そのイメージの中に、集めるべきポートフォリオが表れているはずです。

そこへ向かうためにはどうすればいいでしょう?どんな経験や人脈を集めればいいでしょう?最後のポートフォリオをイメージすれば、逆算して今いるべき場所、やるべきことが見えてくるのかもしれません。そういうことを、ライフ・シフトから感じることができました。

今日は何を集めてきましょうかね。

 

大学生はどうすればいいでしょう・・・?

いまは働いていませんが、ポートフォリオは当然、学生から始まっています。しかし、学生は企業に所属していないので、なかなか社会で経験を集めることはむずかしいでしょう。GOuniteでは、同じように悩んでいた学生たちが、自由に社会での経験をポートフォリオに組み込み始めています。

 

あなたも早くにポートフォリオを組み、新しい働き方で自由に働きたいなら。

GOuniteからポートフォリオを始めてみてください。