「デザイナーになりたい。」と漠然と思っている学生の方。
せっかくの「なりたい職業」なのに、挑戦する機会もなく、なんとなく諦めてしまうということは少なくないことだと思います。
そこには様々な原因がありますが、例えば専門学校や美大に通っていないことで、大学卒業前になんとなく就職活動を始め、内定の出た企業へ就職する流れに乗ってしまうこと。
あるいは、何のスキルも知識もない、道筋を教えてくれる人間が周りにいない、と言った環境で必要な条件が揃わない等、「どうすればなれるのか分からない。」ということ。
こういったことが原因にあると思いますが、一般的な大学に通うほとんどの方が経験せずに「やりたい。」と思う気持ちを無視してしまう状況ではないでしょうか。
ですが、せっかくの「なりたい職業」を諦めてしまうのは非常にもったいないことです・
そこで今回はインターンに参加することで、僕がデザイナーになることができた方法をお話ししたいと思います。
1.「特殊」ゆえに難しいデザイナーへの道
僕は近畿大学の経営学部に通い、デザインやアニメーションとは縁のない分野で大学生活を進めてきましたが、来年度から新卒でデザイナーとして企業に務めることになりました。
元々、絵を描くのが好きで、且つ得意だったので、ぼんやりとデザインにまつわる仕事をやってみたいという気持ちはありましたが、「特殊」であるイメージと、なり方が分からないということが原因でつい1年前までは全く頭にありませんでした。
それはデザイナーという職業が一般企業の新卒での採用をほとんどしていないことや、銀行や人材などのように就職活動で進む先の、いわば王道ではなかったことが大きな要因の一つであると思います。
まず、デザイナーと一口に言っても、インテリアデザイナー、ファッションデザイナー、グラフィックデザイナーなど、その領域は非常に広く必要な能力もそれぞれ大きく異なります。
さらに、デザイナーとして働くには企業にどれだけの能力や経験があるのか、デザイナーとしての今の力を証明するポートフォリオを見せることが一般的で、加えて数年の実務経験や複数の画像編集ソフトなどの操作ができることなどが求められます。
就職活動で見せるべき能力と比べると、かなり具体的な能力を提示する必要があり、未経験から新卒でいきなり「今日からデザイナーです。」と名乗るようになることはありません。
2.デザイナーを目指し始める
そこで、大学卒業後にデザイナーとして働くには、学生のうちから実務経験を積める環境に身を置ことが必要になります。その環境が僕にとっては長期インターンでした。
僕は未来電子入社後、複数の業務を転々とし、どれも大学卒業後、普通に企業に入社すれば行っていたであろういわゆる通常業務でしたがそのどれも自分にとって大きな喜びややりがい、成果をもたらせるものではありませんでした。
その原因は僕自身の中に多くありますが、新卒で入社したばかりの社会人の多くがおそらく感じることになるマイナスの気持ちをインターンという形で事前に体験することになりました。
そこで、僕の「やってみたい。」という気持ちに従い、自社内のデザインカリキュラムを受け、現在は実務を行う段階まで進み、今後の道筋を明確に作ることができました。
アルバイトではなく、インターンという形で携わったことで、様々な観点から様々な業種を見ることができ、自分がどの役割をするべきなのか、どの領域なら自分にとって働くことに対する満足度が上がるのか、といったことを確認する機会になりました。
さらに、通常なら費用をかけて得なければならない知識を無料で学び、業務を通して学ぶことでいいプレッシャーを受けながら、着々と能力を上げていくことができ、成果を気にしながら進めていけるという点も大きなポイントであったと思います。
3.講師に1対1で指導を受ける大切さ
デザイナーとしての能力は多くの方が想像されるような抽象的な能力から、非常に具体的な能力まであり、抽象的な能力はある程度感覚の部分ですが一般的にセンスと言われる能力です。
ただ企業の一員としてのデザイナーに必要な能力はどちらかといえば具体的な能力です。
これは、例えばIllustrator、Photoshopなどの操作ができるという能力であったり、デザインを行っていく際に守るべきルールの知識を持っているかということなどですが、これらは業務を行っていく上で最低限必要になってくるものです。
独学で1から進めていくことができる方もいらっしゃいますが、やはり直接他人からレクチャーされるということとは効率がまるで違うように感じます。
僕の場合、Photoshopを1から教わった後、Illustratorを独学で習得しましたが、それぞれの違いや類似点を比較しながら進めていくことで独学の習得効率も大きく違っていました。
デザインの原則についてはセンスによって習得の速度は大きく異なり、習得できたというゴールもありませんので一概には言えませんが、画像の編集や絵を描いたりなどの僕の職域の範囲内でお伝えすると、光の進む方向、空間の色、物体の見え方、現実の空間でのエフェクトとイラストに対して必要なエフェクトなど、成果物を複数見てもらうことで指摘してもらいながら学び、短時間で多くを学ぶことができたと感じています。
それは特に未来電子でインターンをしていることによるメリットだと思いますが、学生の受け入れを広く行っていること、そして講師の能力です。
学生への教育システムが学生自身の能動的なモチベーションにしっかりと任される点、そしてデザイン限定で言えば間違いなく世界水準の能力を持った講師に1対1で指導を受けることができた点は、僕に大きなアドバンテージを与えてくれました。
単純なソフトの操作スキルだけで言えば、極論全て独学で済ませることができるでしょう。
しかし、自分の間違いを指摘してもらう際に重要となるのはやはり講師自身の能力ではないかと思います。
これから経験を積み、様々なスキルを学んでいく中でベースとなる考え方は極めて重要な学ぶべきポイントであるように感じます。
また、興味のある方はご自身で一度取り組まれてみては、と思いますがモノづくりをしていくための作業には時間と体力を使い、自身で0から1を作り上げることの難しさを感じることだと思います。
その中で効率的に学んでいくために優秀な講師の存在は非常に大きく、妥協することなく進めていくための一つの有効な手段です。
独学で習得していく中では生まれた問題をすぐに解決出来る環境をおそらく羨ましく感じるはずです。
大学の授業で一度Photoshopの授業を受講しましたが、業務をしていく中で感じるのはそこで得た知識というのは成果物を上げるための過程のほんのさわりの部分だったということです。
それは限られた時間で単純な操作しか教えることができないという物理的なこともありますが、操作をして起こる現象においての本質が学べないことが挙げられます。
PC上で何かを作るためには知っておくべきコンピュータの仕組みが様々存在し、これこそが趣味と実務を分ける点だと思いますが、大学の講義の中ではなかなかその範囲まで伝えきることが難しいようです。
まとめ
こういった点を踏まえて、長期インターンをしていく中で必要なスキルや経験を積んでいくことが今の僕がお勧めできるデザイナーへの道筋です。
デザイナーという職業に対してやりたいけどよくわからない、という学生がいればそれを知る機会として使ってみたり、向き不向きを確認する場として使ってみたり、現場での情報に勝る有用な情報は他にないと思います。
今回お伝えした内容はあくまで僕個人の経験則から、僕と同じような感覚を抱いている学生の方へぜひ知っていただきたい内容です。
すぐ近くに理想的な環境がない、ということで機会を逃しそうになっている方は一度、現場の空気と自身の適性を学生のうちに確認してみてはいかがでしょうか。