さて、2本目ですねー。
サバンナの記事は結構反響があったようで、すごく嬉しいです。1本目の記事はいまの僕の全力です。書けてもあれと同じくらいか、ちょっと下の記事しか書けないので、このまま新しい話題の記事を書いてもしゃーないなあと思ってます。なので、1本目の記事に反響があればやろうと思っていたことがあるので、今回はその案を採用することにしました。その案とは、「1記事目の設計図を教えること」です。ということで、今回はサバンナの設計図をみんなにお渡ししようと思います。
前回の記事を見ていないと多分全然わかんないので、見てない方は先にサバンナの記事をお読みください。
お前はいつまでサバンナのド真ん中で生きてるつもりだ
僕の記事は分解すると、
– タイトル
– 課題の明確化
– 課題の解決方法
– CTA
という4つの単純な構成になっています。この構成は、基本的に「人を動かす」ときに使うフレームです。設計図を持って、あなたのことばで人を動かしてみてください。
タイトル
タイトルは特に現代において、極めて重要な役割を担っています。現代は情報が多すぎるため、不要だと判断された情報はすぐに脳から追い出されてしまいます。これは脳の「選択的無視」という現象だそうです。脳はメモリーを守るために、不要で、多大な情報をシャットアウトし、無視する。自然な現象です。まずはこの選択的無視から逃れ、読者に無視されない必要があります。読まれなければそもそも意味がありませんから。
選択的無視から逃れるために必要なことは、「違和感を残す」ことです。人は違和感が嫌いです。違和感とはそもそも何か見たことのない生物が現れたりしたときに、「危険かもしれない!気をつけろ!正体がわかるまで、この生物を覚えておけ!」と遺伝子が命令している状態です。その生物が危険かどうか判断できるまで、違和感という形で記憶し、警戒している状態です。その場合、人間はその違和感の正体を確かめるまでは安心できない状態なので、違和感の正体を確かめないと気が済まなくなります。つまり、タイトルで違和感を残すことに成功すれば、人は違和感の正体を確かめるために読んでくれる、というカラクリです。
サバンナの記事でいえば、まさに「サバンナ」がフックになっています。「お前はいつまでサバンナのど真ん中で生きているつもりだ」というタイトルは、確信を持って言えますがこの世のどこにもありません。この記事だけです。サバンナという謎のワードはどういう意味かを理解するために、人は読んで違和感を解消しようと動いてくれます。ただこれだけ違和感の強いワードを使った場合、文章の中でちゃんと意味が通るように回収しなくてはいけません。タイトルに布石を打った状態ですね。布石を打ってから、回収する流れが読者の予想を超えれば超えるほど、記事に対しての反応率も大きくなります。
また、記事は「どう呼ばれるか?」まで考えると流通性が高まります。僕の記事は「サバンナの記事」と呼ばれることを想定しています。そうすることで、人づてに話をするときにポンと言いやすいので、流通しやすくなります。実際に「サバンナの記事読んだで!」みたいな反応が結構ありました。思うツボです。こうやって記事に持ち運びやすい「取っ手」を付けてあげるよう心がけるといいでしょう。
※ちなみにSEO対策の記事でこれをやってはいけません。「サバンナ 生き方」なんて物騒なキーワード、誰も検索しませんからね。
課題の明確化
タイトルで読ませることに成功したら、次にやるべきは「課題の明確化」です。人を動かすためには、「その場にいることが危ない」ことを知らせてあげる必要があります。つまり、「実はあなたは課題を抱えているのですよ。」と、お知らせしてあげる必要があるのです。そして、この課題がみんなが明らかに抱えている課題なのであれば、あまり面白い記事にはなりません。ただのハウツー記事になります。そうではなく、「みんなが課題であるとは認識していないが、実は大きな課題であるもの」を探し当てる、楓の言葉を借りれば「構造的無知に陥っている課題」を探し当てると面白い内容になります。正直、記事が面白いかどうかは9割「どんな課題を発見したか?」によって決まります。腕の見せ所です。課題を構造的に分けてみると、こんな感じになります。
・・・図示が下手すぎて笑いますが、「個人的」「普遍的」「他人ごと」「自分ごと」にプロットされます。構造的無知になっている課題を探すので、基本的には他人ごとの象限に位置する課題であるはずです。これをこのまま伝えたとしても、「ただの感想」「ただの正論」となり、人は動きません。そこで、
図、下手すぎやろ!
とにかく、他人ごとの領域から、自分ごとの領域まで持っていかなくてはいけません。個人的な感想が自分ごととして伝わる現象を「共感」、普遍的な正論が自分ごととして伝わる現象を「納得」と呼んでいます。まず、自分が伝えようとしている課題が個人的なものなのか、普遍的なものなのかによって伝え方は変わります。特に、普遍的な課題を納得させるためには、高い表現力が求められます。
サバンナの記事は、右下の「正論」を納得させにかかっています。「遺伝子が実は誤作動を起こしており、僕らの成長を阻害している。」という課題は、普遍的であり他人ごとです。ただの正論です。これを納得させるために、「否定できない事実」を並べ立てています。例えば感情が人類を生き残らせるために100万年かけて作られたということは否定しようがありません。コンフォートゾーンを出ることが成長に繋がるという心理学的な内容も否定しづらい。こういった「歴史」「心理学」といった権威や普遍性を帯びた事実を並べると、人は否定ができないので勝手に「納得」へ向かっていきます。つまり、人を納得させるためには「人が否定できない根拠にたどり着くまで、ひたすら掘り下げまくる」のです。自分がもう掘り下げられないところまできたら、大体の読者も掘り下げられません。納得せざるを得ないところまで、掘りに掘りまくります。課題を自分ごとにすることができれば、9割は完了です。ここが最も難しく、技術を要するところです。
問題の解決策
課題を読者の自分ごとにできたら、今度は課題を解決するロジックを組み立てます。今回でいえば「コンフォートゾーンから出る」ということですね。自分に課題が降りかかっていることに気付いてしまった読者は、なんとかしてほしい状態です。そこに「どのようにすれば、その課題は解決できるか?」を教えてあげます。サバンナの記事では、
「感情が発生したら、自分は死ぬか?を問う」
→「誤作動かどうかを判断する」
→「コンフォートゾーンから出る経験を少しずつ続ける」
→「コンフォートゾーンをリニューアルする」
→「感情に支配されなくなり、成長できる」
という流れを組んでいます。課題を納得させられているなら、論理さえ通っていれば解決策はなんでも問題ありません。構造的無知に陥っていた課題を教えてくれたあなたの話なら、読者はちゃんと聞いてくれますから。
CTA
最後にCTAです。実は、僕の記事にはCTAがありません。記事の最終目的が「定性評価を取ること」だったので、読後感を最大化する方向で〆ました。ですが、本来はなんらかの行動をさせるようにしています。CTAとは、要するに「書き手がやってほしい行動」です。商品を買ってほしいとか、インターンに応募してほしいとか。こちらが意図する行動です。CTAの部分は、「上記の解決策=CTAですよ!」と伝えればそれでOKです。例えば、「コンフォートゾーンを出て成長すること」=「GOuniteへ行くこと」だと伝えれば、納得度の高い人にはGOuniteのWebサイトに訪問してもらうことぐらいはできるでしょう。解決策まで納得させてはじめて、意図したCTAをお願いする権利をもらえます。これをしてもらいたいがために、タイトルでキャッチし、課題を明確にし、解決策を提示してきたのです。意図した行動をしてもらうということは、これほどまでにむずかしい。しかしこれができれば、書くことで人を動かすことができる。ここまでくれば、書く楽しさがわかってくるころです。
+α
サバンナの記事の設計図はざっくりこんな感じです。書くことは細かい技術ではなく全体の構成がすべてなので、まずは構図を掴むことからスタートしてください。ただ、技術面で少し伝えることがあるとすれば、「いま書いている一文は、次の一文を読ませるために書いている」という意識を忘れないことです。テクニックではありません。会話と同じ。いま、この文章を聞いている人は、そのまま聞き続けてくれるか。聞いてくれているイメージを持つことができるか。話すように、書くのです。まずはそういう姿勢から、身につけていきましょう。