2019.12.23

ジャズ漫画『BLUE GIANT』から学ぶ ”心の才能”

立命館大学 インターン

神野凌太郎


こんにちは。

京都人事責任者の神野です。

立命館大学情報理工学部2回生です。

 

みなさん『BLUE GIANT』についてご存知ですか?

 

『BLUE GIANT』は、小学館ビックコミックで連載されている石塚真一さんのジャズ漫画です。

 

僕自身、普段『名探偵コナン』以外の漫画は読みません。

 

しかし、アウトプットの量がインプットの量を凌駕したこともあり、「漫画を読んでみよう!」という発想になぜか至りました。

 

本屋に行き、ネットで大人でも泣けたり、学べたりする漫画はないかと検索したところ、紹介されていたのが『BLUE GIANT』です。

 

泣けると話題で、類を見ない『ジャズ』を題材にしている漫画ということを知りました。

 

ジャズは聴覚で楽しむものという認識だったので、視覚で「ジャズ」を楽しめるか疑問でしかありませんでした。(ジャズをあまり聞いたこともありません。)

 

そのような思いを抱えつつ、全巻大人買い。

 

『めちゃくちゃ面白い!!』じゃないか!

 

今回は、『BLUE GIANT』から学んだことについて紹介します!

 

□「心の才能」をもつ主人公

 

主人公の名前は、宮本大。

高校の部活は、バスケ部で音楽経験は皆無です。

 

ジャズに興味を持ったきっかけは、友人にたまたま誘われたライブハウスでの演奏。

 

そこから、本気でサックスプレイヤーになりたいと決意し、サックスを購入するためにアルバイトに励みます。

しかし、なかなかお金はたまりません。

 

その様子を見かねた兄が、分割ローンで約50万近くのサックスを購入し、大にプレゼント。

大はプレゼントされた日から、楽譜も吹き方もわからないままひたすら河原で練習を続けます。

 

ある日、楽器屋に立ち寄り、『音が思うように出ない』と店主に相談します。

 

当然、音は出ません。

なぜなら、自作で竹で作ったリードを使っているからです。音が出ないのは当たり前です。

 

それでも、何も疑わずひたすら懸命に練習を続けている様子に店主は心を惹かれます。

 

そこで、店主は大に「ライブハウスで演奏してみないか?」と誘います。

 

当日、ライブハウスでゲストメンバーとしてサックスを演奏します。

サックスを演奏すると、ある客から『うるさい』と一喝されます。

そのままステージを降ろされますが、ライブハウスのマスターの心は掴みます。

 

大の演奏は、”音圧”がすごいのです。

(漫画の中でも、音の力が十分に伝わってきます。)

 

一方で、最もすごいのが「感情を音楽の中で表現できること」です。

 

気持ちが沈んでいる時は”悲しい”、気持ちが高揚している時は”明るい”。

こうしてスキルはないと言っていいほどの全く初心者であっても、マスターの心を掴めたのです。

 

そのマスターは大に音楽教室の講師、由井を紹介します。

 

由井は、大の演奏を聞き、

「音の構成、指使いといったスキル全般が全部ダメ」と指摘。

 

しかし、タダで音楽教室にレッスンを受けに来ないかと誘います。

 

由井は、他の生徒からはきっちりお金をとり、営業トークでの指導しかしません。

一方で、大にはお構い無しに全力でサックスの演奏指導を行います。スパルタです。

 

この差は何なのか。

それは、「心の才能」に投資しているかどうかです。

 

音楽プレイヤーには3つの才能があると言います。

それは、「心の才能」「技術の才能」「努力の才能」

 

スキルは全然ダメでも、何か人を動かす力を大は持っています。

理論では説明できない、「心の才能」です。

 

「心の才能」は生まれながらの才能です。表面上でいくら感情を表現しても人を動かすことはできません。

 

みなさんお気づきかもしれませんが、大はとにかく「ピュア」なのです。

楽譜や吹き方も知らない状態で、サックスを独学で毎日練習します。(周囲は受験勉強をしています。)

 

それでも、「世界一のサックスプレイヤーになる」と周りに豪語します。

 

演奏を聞いたことない周囲の人たちも、本当に世界一のサックスプレイヤーになるのではないかと思わせます。いわゆる「錯覚資産」というやつです。

これは、人事部に所属する上で大切な才能です。

 

”人事”は文字通り、「人を扱う事」です。

人を扱うには、上記の3つの才能が必要です。

 

「努力の才能」で面談スキル、言語化スキルを習得します。

 

相手のボトルネックを引き出すには、どのようなトーク構成を行うか。

どのような言葉を使って、相手に刺さる言葉を選択するか。

 

これらは、他の人から真似ぶるしかありません。

 

いわゆるカリスマと呼ばれている人たち、周囲から尊敬されている人たちがどんな言葉を使っているか、どのようなトーク展開をしているかを研究し、何回もロープレをします。

 

「技術の才能」は、前述のスキルを自分の中に落とし込めるかどうかです。

言い換えると、「努力の才能」で身につけたスキルを体現できるかの才能です。

 

つまり、「努力の才能」と「技術の才能」は紙一重です。

相互関係にあり、「努力の才能」があれば必然的に「技術の才能」がついてきます。

 

しかし、「心の才能」は独立しています。

どれだけ鍛えても「心の才能」は伸ばせないと思います。

どれだけピュアさを持って、言葉やアクションに感情を乗せられるかの才能。

 

常に注目を浴び、関心を惹きつけている人は、この3つの才能が備わっているだと思います。

 

人事の仕事は、この3つの才能を持ち合わせている人が向いているのではないでしょうか。

 

本当に「心の才能」を後から身に付けることはできないのかな。

もし、身に付ける方法を知っていれば、教えてください。

 

□仲間の成長は自分の成長

 

大は、高校卒業後に上京をして、本格的にジャズプレイヤーの道を歩み始めます。

 

上京して都内のライブハウスを回っていたところ、「雪折」という同い年のピアニストに出会います。

 

「雪折」は、人を見下すような性格を持っており、大にも同様に見下す感じで接します。

一方で、「心の才能」を持ち合わせていないプレイヤーしかいないことに絶望している一面を持っています。

 

そんな雪折ですが、「オレしか出せない音を出すことに、必死だ」という大に何かを感じ一緒にバンドを組むことを決意。

実際に大の演奏を聞いて、雪折は涙を流します。

 

その後、全くのドラム初心者で大と同級生の玉田を誘い、3人でバンドを結成します。

 

着実に練習を重ね、多くのステージで場数を踏みます。

大はレコード会社の人に目をつけられるほどの「技術の才能」を開花していきます。

 

とうとう、ジャズ界の武道館と呼ばれる「ソー・ブルー」への出演が決定します。

 

紆余曲折があり、心が折れかけたこともある3人。

ようやく、憧れの舞台に出演でき、努力が結果に結びつきます。

 

しかしライブの2日前、交通整理のバイト中、居眠り運転の車が突っ込み、雪折は大事故に見舞われます。

 

右腕が大怪我をし、元の腕に戻るまでに数年はかかると医師から告げられます。

 

「止まっちゃダメだ。」大は自分に言い聞かせながら、

「ソー・ブルー」の舞台をピアノ抜きの2人でやり切ります。

 

そして、雪折から「解散しようぜ」と。

大は止まっちゃいけない。1日も止まっちゃいけない。

雪折は、大の成長を止めたくなかった。重荷になりたくなかった。

 

玉田も雪折の言葉を聞いて大が成長するためには、自分も身を引くことも必要だと悟ります。

 

しかし、大は、雪折に「解散しよう」と言わせたことをひどく後悔します。

以上の背景があり、海外に行くことを決意。

自分をもっと成長させたい。世界一のサックスプレイヤーになるために。

 

ジャズプレイヤーのほとんどは、あくまでも”自分”が第一優先です。

しかし、このバンドは”自分”を優先にしつつ、”仲間”も大切にします。

 

大は雪折を見捨てたわけではありません。

雪折が上まで引っ張ってくれた分の恩返しとして、雪折の思いを背負ってステージを駆け上がろうと決意したのだと思います。(あくまで主観的な意見です)

 

僕は、チームで仕事をしていく上でこの関係性を大事にしようと思いました。

”自分”が成長をする上で、仲間やチームを踏み台にするのはいけません。

 

言い換えると、環境を利用するのではなく大事にする。

 

その結果、信頼できる仲間関係をいつまでも築くことができるのではないでしょうか。

 

□まとめ

 

今回は、『BLUE GIANT』から学んだことについて紹介しました。

(前回同様、言いたいことがうまくまとまりませんでした。)

 

普段漫画を読まない僕が、こんなにもハマるとは思いませんでした。

もし他にタメになる漫画があったら教えて欲しいです!

 

続編の『BLUE GIANT SUPREME』もとても面白いので、ぜひ読んでください!

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 


この記事を書いた人

立命館大学インターン

神野凌太郎