2018.12.28

自分で決めた道を拓く~闇の先に見える世界~

京都大学 インターン

中川智裕


「中川さんは目標を達成できずに諦めたことはありますか?」
とある席で他のインターン生から言われた言葉だ。

私はほぼ迷いなく否定していた。

不思議なことにすると決めたことは成功するまで貫き通している。

当然簡単なことばかりではなく、何度も失敗もしている。

それでも最後までやりきることができる、どこからこの力は出てくるのだろう。自分なりに分析してみた。

□自分に負けたくない、反骨心が原動力に

私は幼少期から負けず嫌いだった。

相手に負けるのももちろんだがそれ以上に自分に負けたくなかったのだ。

たとえば水泳、水が苦手だった私は最初目を開けることすら怖くてできなかった。

幼少期から縁のある水泳教室に小学校入学半年後から通い始めたが、同い年あるいは年下でもっと上手な人はいくらでもいた。

その中でできないのが悔しくそれが原動力となる。

忙しくても週に一回通うことは欠かさなかった。

中学受験をしていた時期も入試の直前以外は泳ぎに行っていた。

また、小学校が離れた場所にあったために、時には学校の活動を早めに終わらせてバスを乗り継ぎ、家族に荷物を持ってきてもらうことも。

制約が多い中続けた水泳は8年半、最後はその水泳教室の受講生の中でのベスト10に入る記録を得た。

好きでもなかったのによく続けられたなと今では思っている。人の原動力とは不思議なものだ。

□「はじまり」を生み出した大学受験

私にとって大学受験は新たな人生を歩みだすきっかけとなった。

もともとは周りが目指していたからという理由で志望していたが、いつしか自分自身が越えるべき目標に変わっていた。

ただ、それに見合う学力がないことが課題となって長い暗黒の時を経ることになるのだ。

その間、勉強以外の全てのことをするのが後ろめたくなり、本業の勉強で結果に繋がらないことで自分自身の至らなさに直面し続けていた。

それでも、結果が出なかったとしても諦めきれなかったのは、自らが掲げた目標を何としてでも成し遂げたいという気持ちが片隅に残っていたからだろう。

長くかかったことで合格を報告できなかった方も複数存在するし、失った時間も多かったが、今の私を根本から確かに支えているのはこの見えない中で自分を見つめ続けた日々なのである。

入学後に高校へと提出した合格体験記の題を「はじまり」にしたのはこれまでまでとは違う生き方をしていくという私の決意表明であり、実際に身の回りでは大きな変化があった。

合唱団や学生団体に所属することを自ら選び、今のインターン先はこの学生団体からの繋がりで知っている。

また、他にも事業を行ったり活動で関わったりと様々な形で出逢いを経験していく。

しかしながらこれは私が第一志望に拘らなければ、そしてそれを成し遂げなければ巡り逢うことのない縁である。

一つのことをやりきるのは単にその成果だけではなく、人生における次の段階の展開もそこで得られるものも変えてしまうのだ。

□最大の試練を越えて

先月、マネージャーとしてのチーム運営の中で私にとって最大の試練を迎えた。

三人の後輩のうちそもそも一人とは月始めから連絡が取れず、一人は入ってきた数日後に業務が合わないと言って姿を眩ました。

インターン業務のルールとして、仮にチームメンバーの誰かが離脱した場合には他の人が埋め合わせをすることが求められている。

そのため、残りの二人で稼働しなくなったメンバーの業務をこなさなければならないのだが、もう一人についても新人ということもあり捗らない状態が続いていた。

結局4日を残して、1か月にメンバー一人に課されるのと同じ程度、チーム全体で見ても4分の1程度の仕事が残る状況となった。絶望的な状態の中で切り替えて来月に備えるという方法もあったかもしれない。

しかしながら私には諦められない理由が二つあった。
一つは新規事業を抱えていたこと。

こちらは通常業務が達成されていることが条件であり、このままではチーム運営を任されいる私が離脱して他の方にも甚大な迷惑をかけてしまうことになる。

何よりも駆け出したばかりの事業そのものに私が抜けることで影響が出るのを懸念した。
そしてもう一つ、インターン先でマネージャーを務め始めてから常に達成し続けてきたという記録を失うこと。

歴代最長のマネージャーとしてそれを簡単に捨てるわけにはいかなかったのだ。

プライドと言えばそうなのかもしれないが、それがあって爆発した。

予定していた用事を翌月まで伸ばし、空き時間を細かく投資して取り組み、何とか仕上げるに至った。

もちろんこれまで培ってきた時間のやり繰りやうまくいく手段を駆使していたが、それよりも何とかして達成させるという強い気持ちが後押ししていた。

どのようにそこまでの業務をこなしたかは詳細に記憶していない。それだけ一心に夢中になって取り組んでいたのだろう。

ここまで諦めずにするのは難しいかもしれない。

ただ大切なのは自分自身がどの時点までいけば納得するかだ。

本当に大切にしたいものをどこまで突き詰めるか、決めさえすれば後は進むだけ。

必ずしもうまくはいかないもので、失敗は尽きないがその中にある気付きを得て粘り強く取り組むことで悔いのない結末を創り出していこう。


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京都大学インターン

中川智裕