「クリエイティブで華やか!」
広告業界といえば、そんなイメージが強いのではないでしょうか。
もちろんそういった側面があることは事実ですが、それがすべてではありません。
今回は就活生の大半が興味を示すと言われる広告業界の研究記事です。
広告業界のビジネスモデルとは
広告業界は基本的に、広告を出したい「広告主」、広告を制作する「広告制作会社」、広告が掲載される「メディア媒体」、そしてこれら3つを仲介する「広告代理店」の4つで構成されています。
中でも人気なのが広告代理店です。
広告代理店の仕事は、簡単に言うと広告枠を探している広告主と広告枠を売りたいメディア媒体を仲介することです。
そしてそこから仲介料をもらうことで利益をあげています。
また広告代理店はその専門分野によって、メディアにとらわれずあらゆる媒体を扱う「総合広告代理店」、1つのメディアに特化した「専門広告代理店」、特定の企業の専属である「ハウスエージェンシー」と3つに区分されます。
広告業界の魅力ややりがいは?
広告業界最大の魅力は、幅広い業界・業種に触れられることです。
クライアントやメディア媒体、広告制作会社などさまざまな企業との関わりを持つ広告代理店は、他業界とは比較にならないほどたくさんの業種の人に出会う機会があるでしょう。
広告を通じてクライアントの課題を解決できたときや、自分が企画した広告を街やネット上で見かけたときには大きなやりがいを感じられるに違いありません。
特にネット広告の場合は広告の成果がそのまま数字に現れるため、良くも悪くも成果を実感できます。
一方、常に締切に追われる毎日であることから残業が多いのも現状です。
また華やかなイメージだけをもって入社すると、アポをとったりデータとにらめっこしたりといった実際の業務とのギャップに苦しむかもしれません。
年収と適性は?
広告業界の平均年収は500万円前後と言われていますが、企業を絞って見ると、トップの電通では平均年収が1000万円超えに及びます。
ちなみに平均年収の高い企業ほど、社員の平均年齢も高い傾向にあるということも興味深い点かもしれません。
広告業界に向いている人材としては、まず行動力のある人が挙げられます。
クライアントや制作会社とのまめな連絡、また新規顧客の開拓が欠かせないためフットワークの軽さや行動力がある人は評価されやすいはずです。
他にも、時代の流れとともに変化し続けている広告業界ですから、常に新しい情報を掴みながら変化に対応、成長できる人は広告業界に向いているのではないでしょうか。
市場規模と動向について
2020年現在、市場規模は7.3兆円、成長率は2.8%の伸びとされています。
新型コロナウイルスの影響から特にWeb広告分野は大きな伸びを見せており、今後もさらなる成長が期待できます。
業界のトップ企業をジャンルごとにご紹介!
総合広告代理店は、電通と博報堂、いわゆる電博の寡占状態です。
そんな電博両者を比較すると、体育会系の電通、個性の博報堂という言い方ができるでしょう。
電通の強みはグローバルネットワークとクリエイティブ力です。
また国内シェア1位で、2010年代からはM&Aにより事業の国際化にも力を入れています。
とにかく熱い思いを持った仲間と競い合いながら成長できる環境があり、文字通り体育会系の社風が特徴的と言えるでしょう。
一方の博報堂は電通に続く国内シェア2位で、生活者目線で本当に良いものを提案するクライアントファーストという考え方が特徴です。
個性を大切にする社風もまた博報堂の特徴であり一般的な広告業界の「クリエイティブ」というイメージにより近いかもしれません。
専門広告代理店では、サイバーエージェントが急成長中です。
サイバーエージェントはIT系の専門広告代理店で、スマートフォンが主流になる前からスマートフォンに特化した広告代理事業を行ったり、インターネット上の動画配信が普及する前にAbemaTVを設立したりと、常に時代を先読みした事業展開を行ってきました。
他の広告代理店と比べると歴史が浅いことから会社全体が非常に若く、しっかりと実力や成果に基づいて判断される風土があります。
ハウスエージェンシーでは、東急エージェンシーやJR東日本企画といったところが代表的です。
ハウスエージェンシーは他の広告代理店と異なり、親会社の広告やプロモーションを行うのが大きな特徴でしょう。
しかしこの点において、JR東日本企画をはじめとした多くのハウスエージェンシーは親会社以外のクライアントも取り扱うケースが増えており、総合・専門広告代理店との棲み分けが難しくなりつつあります。
ただし鉄道なら鉄道、自動車なら自動車と、親会社と同業種の広告には強いという点は忘れてはいけません。
備考
就活においての広告業界では、専門的な知識よりも成長意欲が問われます。
それほど特殊な選考はほとんどありませんが、だからこそこれまでの自分をどうアピールするかが非常に重要です。
しっかりと自分の経験、また自分という人間を掘り下げておくことが一番の対策になるでしょう。