「TOEICでハイスコアを取っていると就職は有利になる」
このようなことを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
実際、TOEICのスコアは就職活動において重要といえるのか気になりますよね。
そこで今回は、TOEICが就職で有利になるのかどうかや、有利になりえる具体的なTOEICのスコアについてご紹介します。
TOEICとは何か?
大学生であれば知っておられる方も多いとは思いますが、ここではまずTOEICとは何かについて簡単にご紹介します。
TOEICとは、Test of English for International Communicationの略で、英語が母語ではない人たちの英語におけるコミュニケーション能力を可視化する試験のことです。
TOEICの試験には4種類ありますが、一般的にTOEICといわれるのは「TOEIC Listening & Reading Test」です。
本記事では、「TOEIC Listening & Reading Test」のことをTOEICと呼ぶこととします。
TOEICは就職に有利?
2019年、日本でTOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は、企業、団体、ビジネスパーソンを対象として実態調査を行いました。
この結果を見ると、TOEICのスコアを、新卒採用のときに「要件としている」、「参考としている」、「新たに要件・参考にとする可能性がある」のいずれかに該当している企業の割合は、55.3パーセントでした。
このように、TOEICのスコアを見ている企業が少なくないことがわかります。
ここでは、多くの企業がTOEICを重視する理由を3つご紹介します。
1つ目は、認知度が高いことです。
TOEIC以外で英語能力を判断する試験として、英検、TOEFL、IELTSなどが挙げられます。
その中でもTOEICの知名度は頭一つ抜けているため、採用活動に取り入れている企業が多いのです。
2020年では、153万人もの方がTOEICを受験されていました。
これでもコロナ禍によって大きく数が減った方であり、その前年の2019年では受験者数は200万人を超えています。
2つ目は、スコア形式であることです。
TOEICは合否ではなく、10~990点の範囲において5点刻みのスコアで評価されます。
そのため、受験者それぞれのレベルが一目瞭然なのです。
TOEICのスコアが良ければ、必ずしも仕事ができるということではありません。
しかし、スコアを上げるために、情報収集や分析を行って対策を見つけ、努力する中で課題を克服するということは、仕事にも役立つ能力です。
そのため、TOEICのスコアによって英語能力だけでなく、自分の弱点に対する向き合い方もアピールできるのです。
3つ目は、ビジネス英語を扱っていることです。
ビジネス環境はグローバル化が進んでいます。
国内市場が縮小しており、日本だけでは勝負しにくい状況であるため、企業はまだまだ成長できる海外に目を向けているのです。
そのため、企業はグローバルに対応できる、英語能力の高い人材を求める傾向にあります。
また、TOEICは他の英語の試験とは異なり、ビジネスシーンでよく使われる英語が出題の中心となっています。
よりビジネスに特化したTOEICは企業も導入しやすく、ビジネス環境で重宝されるようになっているのです。
就職が有利になる具体的なTOEICのスコアは?
具体的な点数ごとに、就職に有利なスコアの目安について確認していきましょう。
*400~500点台
まず、TOEICの平均スコアについては、大学生の受験者では約500点、受験者全体では約600点といわれています。
上場企業では、TOEIC600点を幹部社員への昇進に必要な最低スコアとして設定していることが多いです。
そのため、600点がボーダーラインとなっており、それ以下では英語が得意とは見てもらえない可能性が高いです。
400~500点である場合、履歴書やエントリーシートに記載すると、アピール材料になるどころか、かえって英語が苦手な学生とみなされてしまうおそれがあります。
*700点以上
日系の大手企業を目指している場合、700点が有利になる目安になります。
大企業の場合は、すでにグローバル事業に着手しているところも多く、配属によっては入社後すぐに英語の業務を担当することもあります。
700点以上あると、担当業務に関するコミュニケーションを問題なく遂行できるレベルであるとみなされるため、有利といえます。
*800点以上
外資系やグローバル企業を目指している場合、800点以上は取っておきたいところです。
応募してくる学生の中には、TOEICで満点を取れるような帰国子女の方も多いため、エントリーシートの時点での足切りを回避するためにもTOEICの点数は重要です。
このような企業では上司や同僚が外国人であることも珍しくありません。
一般的には800点はハイスコアですが、外国の方と通訳を介さずに英語で複雑な議論をするとなると、正直厳しい面が多いといわざるを得ません。
英会話力を身につけるためには、TOEICの学習とは別に、実際に英語を話すといったアウトプットの機会を増やしていくことが重要です。
まとめ
本記事では、TOEICが就職で有利になる理由や、有利になりえる具体的なTOEICのスコアについて解説しました。
TOEICのスコアが100パーセント有利に働くわけではありませんが、ハイスコアを持っていることに越したことはありません。
ぜひ自分の目標スコアを取得して、就職活動に役立ててくださいね。