与えられた仕事をこなしているうちは裁量も成長も得られない

東妻 航太

神戸大学 経営学部経営学科

ー2018年3月卒

PROFILE

就職活動をする中で、日本の就活に対し違和感を感じ、働くイメージを求めてインターンとして入社。入社後は、常に主体的な姿勢と行動で既存の仕組みの改変や新しいサービスの創出などに携わり、社内環境を大きく変化させ、月間MVPを2ヶ月連続で獲得するなど大きい功績を残し現在も活躍中。

漠然とITが必要だと思った

―そもそも未来電子に入ろうと思ったきっかけは何でしたか?

元々就活をやっていたんですけど、働くっていうイメージがまったく湧いてこなかったので実務を実際に体験できる場所としてインターンを探そうかなって思った時にインターネットで調べたら出てきまして。もちろん関西じゃないとできないので「関西」ってワードと「長期インターン」ってので調べた時に出てきて。元々は営業がすごく強くなるっていう風な文言があってそこに惹かれてまずは行ってみようかなっていうのが最初のきっかけでした。

―おそらく「営業できます」というところはたくさんあると思いますが、「ここがいい」というような点はありましたか?

まずは、社名ってかなり目指してるとことか出るとこだと思うんですけど、やっぱ先を見てる会社なのかなっていう未来の電子のテクノロジー。先の、こっから必要になっていくものっていうのを扱っていこうとしている会社なのかなって思ったのと、やっぱりITに携わってないとここからなかなか進めないというか、もうテクノロジーの発展が早すぎるのでなかなかそこをちゃんと扱えるようになっとかないとこっから先何もできないような状態になるんじゃないかなっていう不安。一般的に煽られてるような不安ってあったのでそういうテクノロジーってのを扱ってる会社の中で営業もできたりとかいろんなこと経験できるっていうことが僕にはすごく魅力的に映ったので、それが最初のきっかけの部分ですね。

―よくたくさんの学生と面接や面談をしますが、みなさん似たことをおっしゃっています。最初は未来への漠然とした不安があり、漠然とITの力が無ければこれから生きていけないという不安に対して「ここでチャレンジしてみよう」と思ったことがきっかけというイメージですね。

バイトとインターンの違いとは何か

―ではインターンを始めてみて、面接はどのような印象でしたか?

最初イメージして行ったのと全然違いましたね。もっと就職活動で言ったら決まったことをだいたい聞いてきて、それに対して準備してリプライするっていうのが基本的な面接だと思うんですけど、ここはまったく違っていて、僕の判断基準とかどういうビジョンを持ってるかとかを深く問いかけてくるような、小手先では通用しないなって思う面接でしたね。僕が本当に思ってることをぶつけて、それに対してまた深く質問してくださって、言ってしまえば僕すらよく分かってなかったところに対して深く質問してもらえたので、面接なのに気付きがあったりとか、自分の考えの浅さとかだったりとかを痛感したりっていうのもありました。

―なるほど。面接時にみなさんに聞くのはアルバイトとインターンの違いについてで、どのように考えてるかを重視して見ています。そこで「何を本当に見たいのか?」という話をすると、先ほど判断基準という話が出ましたが、どのような判断を基に今まで行動してきたのかというのが非常に重要なことで、その判断基準を日々改善できているのか、判断基準が変わることを受け入れることができるのかというポイントを1回目の面接で重視して見ています。具体的には、2つの選択肢がある質問を投げかけた時に、学生さんが今の判断ではそのように考えているということは理解できますが、その上で「現実は実際こういう状態なんですよ」という現実の話をした時に、受け入れられるのか、受け入れられないのかで非常に差が生まれます。受け入れられない方はその現実に対して否定的になります。「実際はそんな状態じゃない」とおっしゃる方が多いです。これを具体的な例に変えると、「アルバイトとインターンの違いって何なの?実際はまったく同じことだよね」と話をした時に「それが受け入れられない」という結果になります。そして、徐々に矛盾を重ねながら前に進んでいかない状態になります。その現実をしっかりと受け止めて、前に進めていけるのかどうかというポイントが面接の判断基準です。東妻さんにも今のバイトとインターンの話しましたが、どのように感じましたか?

僕もみんなと全く同じこと考えてて、バイトは与えられたことをやって、得るものが少ないイメージを持ってて、インターンに来れば仕事っていうのをちゃんと任せてもらえて実際にそれで働いて、そういうビジョンが持てるってイメージ持ってたので、そこで同じだよって言われると実際そうだし、働いてる方がおっしゃることなんで間違いないなと。その段階でやっぱ今のままじゃ駄目なんだなっていう風には思いましたね。折れるじゃないですけど、今まで誇示してたものは捨てないといけないんだなって思って、とりあえず一旦持ってるものは捨てようって思いましたね。

―傾向として、アルバイトではなくインターンを選んだ理由は、「とにかくたくさん裁量を与えてもらって責任が大きい仕事して経験を積みたいんだ。」という声が多いですね。しかし「その責任と裁量の経験が無いから今来てるわけでしょ」という話です。経験が無いということは段階を経てその裁量と責任を与えられるような状態になっていかないと、まずそのような仕事は与えられません。「最初は誰でもできるところから始まっていく。」これはもう現実です。「いや、私は裁量を与えられることがしたい。じゃないとインターンでやる意味がない。」とよくおっしゃられますが、「経験が無いんでしょ」という話です。経験が無いからそれを積みに来ているのに、その点が一向にかみ合わないことがほとんどです。なので、世の中の物事は全て段階を経てできるようになるということを理解できない方たちはお断りしています。

やってみるまでなにもわからない

―先ほどの話を聞いた上で、未来電子に入ろうと思ったのはなぜですか?

やらないと分からないって思ったのが一番大きかったですね。僕が持ってたズレっていうのは、やったことないのに仕事のこと考えていいんかなっていう葛藤みたいなんがあって、代表としゃべったときにやっぱり違うんだなって思ったのでまず入らないと何も分からないからとにかくやってみようと思って入りました。

―本当に、やってみないと分からないということは当たり前ですよね。ただ先にみなさんに伝えておくべきことは、現在のインターンというものの問題の中で、学生側に先入観があるということが言えます。それは、アルバイトは決められたことをやるだけ、インターンは裁量と責任のある仕事、社会人により近いことを任せられるのがインターンだという先入観です。しかし、実際入って取り組んでいることベースで言うと、「アルバイトと変わらない」というところから始まっていきます。「私がやりたかったのはこんなことじゃない」と言ってみなさんやめていかれます。まずこの先入観と実際とのズレがかなり大きいことが問題です。そして「やりたかったことはこれじゃない」と言っていろいろな企業をやめた方たちがぐるぐる回っているということも事実としてあります。どこかでこのことが現実と気づいたのであれば、最初の誰でもできるところから最速で駆けあがっていき、そこの速度をいかに早められるかでしかないということが学生側に伝えるべき問題です。反対に企業側の問題で言うと、企業側は本来正社員だったら実際の仕事と同時に研修や仕事の考え方など、まずじっくり教育を与えるフェーズがあります。しかしアルバイトに教育をしないのと同じように、企業の方みなさんおっしゃることが「なぜうちの会社に入らない人に教育しないといけないの、時間とコストがもったいない」ということです。では、企業の考え方としてはインターン生に対して教育する気がないということになります。「今までやったことがないこの仕事をやってれば経験できるだろう」という半ば放任のようなやり方が今現在されている場合が多いです。では、学生は入ってみて取り組んでいることベースで見てみると、「アルバイトと変わらない」、企業の考え方としては「これやっていたら成長できるだろう」で、この2つの歪な誤解が「自分のやりたかったことはこれじゃない」と定着しない要因になっています。なので、インターンとして提供できる価値はものすごくシンプルで、「投資をする」ことです。何を投資をするかと言うと、「時間」です。教育のための時間です。これが唯一の結論です。教育にどれだけ時間をかけられるかというところがインターンの存在理由やインターンを提供する企業の存在理由です。あとはそれを信じてこの会社ではこういうことをしてもらえるということを信じて先ほどおっしゃった「やってみるまで分からない」という感覚で飛び込んで来てもらうことが一番良いということですね。

既にあった仕事と自分で作った仕事

―ところで、東妻さんの場合、どのような業務から始まりましたか?

最初のスタートはまず仕事するための準備でしたね。パソコンの設定であったりとか。まずパソコンっていうのを使わないと仕事ができないので自分のパソコンを仕事の環境にするっていうのが最初の仕事でしたね。その後はライティングっていう記事を書く仕事の一部分をやるっていう感じでしたね。タイトルだけを作るみたいなものが最初の仕事にはなりましたね。

―なるほど。それを取り組んでいく中でおそらく葛藤があったと思います。その仕事を取り組んでいくところと、バイトと一緒だという狭間の葛藤です。このようなことをみなさんが感じている思いますが、実際に感じていましたか?

そうですね、やっぱ結局本質的には同じなんだなとは思いましたね。結局僕が作った仕事ではないですし、与えられたっていうわけではなくて、あるのでやりましょうっていう形がスタートだったんで、確かに言われてみれば、やってることベースで言えば同じだなって思いましたね。

―抱えていた葛藤に関して具体的にはどのような感じでしたか?

やっぱり成長を求めて来たわけなんですよね、僕だけに限らず多分みんな。成長っていうものをベースとして考えて来ました。でもやってることはバイトと同じってなると、思考が1個になってきて、ここから成長するには、経験を得るにはどうすればいいのかっていう風に自然と考えるようになりましたね。漫然と今ある仕事をこなすんじゃなくて、これを自分の価値として、会社に価値として提供するにはどうすればいいかなって。ただやってるだけでは何も変わらないっていう風な考え方になって取り組むようになりましたね。やっぱ葛藤、今やってることは成長に直接的には繋がらないというのはあったし、でも成長したいっていう思いもあって。じゃあこの葛藤を埋めるにはどうしようかっていう風に自然と考えているうちに、葛藤あるぐらいやったらもう葛藤を埋めるために動こうかなっていう風に勝手になっていきましたね。

―なるほど。まさに今良いキーワードが出ましたね。「既にあった仕事と自分で作った仕事」というキーワードに尽きると思います。当然既にある仕事をやるところから始めないといけないことは当たり前ですが、既にある仕事に取り組んでいると、「これってもっとこういう風にできるんじゃないか」とその仕事をより良くするためにはどうしたらいいのかという考えを持てるようになります。その中からさらに自分で作る仕事が生まれてきます。その自分で作る仕事の存在に気付けた方たちが結果的にたくさんいるインターン生の中でも頭角を現す傾向にあります。どんどん自分で仕事を作って、その仕事の価値が認められた時に裁量が与えられていく、このようなサイクルです。たくさんのインターン生を見ている中でも東妻さんがそこの観点を1ヶ月半ぐらいでできていたので早いなと感じていました。単純に既にある仕事をこなしてる中でも、その先を見て自分でこの中で作れる仕事がないか考えてそれを作った結果、今それが仕組みとして回り続けて社内からどんどん仕事が集まっている状態ですよね。しかもその仕事が「この仕事をやってくれ」という仕事ではなくて、大前提として「まだ形が定まっていないから東妻さんの頭の中で考えて出てきたものをくれ」という、要は考えてもらう仕事が今多く集まってるような印象ですね。そのきっかけはやはり既にあったものから自分で仕事を作り、そこから始まっていくということですね。。

ここを突き詰めれば上がれるんだな

やっぱり、自分で作った仕事から始まるっていうのはすごく思いますね。そう思うようになったきっかけとして社内で評価されたことがあって、ここを突き詰めれば上がれるっていうのが同時にわかってきましたね。僕で言えば専門のライティングを任せてもらえるっていうテストがあって、出さないといけないから出したんですけど、それがたまたま評価されたんですよね。それで記事の質っていう面でその段階だと僕の何らかのフックみたいなのになるのかなっていうのがまず気付きとしてありました。それでそこから、じゃあ質を上げようってなったんですよね。そこからは質を高めるにはどうしたらいいかっていうのをずっと考えて本を読んだりとか、書き方変えてみたりとかいろいろしてとりあえず質を高めていった結果、そこからとんとん拍子で仕事が降ってきて、それやるためにはどうしたらいいかってなったら結局また質が上がってきてそれで仕事が降ってきてみたいサイクルになってましたね。結局始まりは評価されてこれを進めればいけるっていう自信になった、ここで突き進めてやろうっていう外からの評価が大事なのかなって思いましたね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

―なるほど、評価の部分ですね。評価に関しては社内で意識してることがあります。それはコミュニケーションツールの中で誰が今周りからどういう評価を得ているかということが全て見える状態です。要するに何もしなくても「この子が今伸びてるな」ということがすぐに把握できる状態にあるから、その場所に置いておく意味がなくなればどんどん引き上げていくということが未来電子のメインとなる仕組みです。しかし多くの人は、自分で作った仕事、それが評価されたときに初めて次のステージに上がれるはずなのに、今既にある仕事をやる意味がないとおっしゃっています。この既にある仕事を取り組んでいく中で見つけた改善ポイント、そこから新しく作って評価されるということが自然な流れです。これを一人一人個人面談で週20時間かけて話していますが、そこで話す内容も、「もっと具体的に仕事をこうやっていけよ」など具体的な話ではなく、抽象的に「じゃあそもそも価値って何だと思いますか?」のような内容を話すようにしています。そういったところからきっちり話していくことで、なぜ評価が重要なのかということもはっきりと説明できるようになります。そうすることで自分が今やりたいと思ってる気持ちは「本来何の価値も生まないことなんだな」ということに気付くことができますし、そのためにどのように行動すれば周りからの評価が最大化していくのかということもシンプルに捉えることができます。全てがそういったものが教育、仕事学の話ではなく仕事教育学、あらゆるものには教育というものが入るので、未来電子ではより根本的なところから対話形式で、自分で考えてもらう形式で話を展開していくことを意識して評価しています。

ゼロから対話をしていく

―では最後に、今後こういう方向いきたいや、今任されている領域も踏まえでどのようにに考えてるかについて何かありますか?

まず、ずっと思ってるのは個人から抜け出して周りに影響を与えられる状態にはなりたいですね。一人だけがすごくできるっていう状態は僕的にはあんまり意味が無いかなって思ってて、それはあくまできっかけの1つでしかないかなって。結局じゃあ何が個として尖ってたら求められるのかなって思った時に、自分が今できているクオリティが全員できるようになることなのかなって思ったんで、どうやって伝えていこうかなって思った時に、やっぱりセンスとかそういう部分も頑張れば具体的なステップまで落とせるんじゃないかなって最近思っていて。やっぱ見えないものを目指すのってしんどいなって最初の頃ずっと思ってて、仕事って分からないところだったり、評価という分からない、見えないものを目指すのってしんどいなって思いながらもがき苦しんで、僕の中ではなんとなく階段みたいなんが見えてて、ここを上がっていってここを上がっていったらここに着くだろうっていう風な、見えないですけどでも具体的なものが見えてきたところではあるので、この見えてきたものをできれば誰でもたどれるような道筋にしてあげたいなと思いますね。今の未来電子は、「個」が強いイメージです。良い面はあると思うんですけど、それを後続の人間に落としていける人がいればすごくいいなという風には思います。

―確かに未来電子全体として個の力が強いイメージですね。良い意味でもあると思いますが、私としては今後の展望として、いろいろな学生との面談の内容をもっとめちゃくちゃにしていきたいという思いがあります。みなさんの多くは、そういった固定観念の中で聞きたいことがすごく抽象化していて、「成長とは」や「スキルとは」などそういった抽象的な具体的な話ではなく、具体的な抽象的な話がしたいなと思っています。少し意味がわからへんと思いますが、このようなことを考えています。

ぜひ聞かせてください。

―要するにめちゃくちゃな話がしたいということです。イメージはそういった固定観念ではなく、一旦この場にいる私たちの今までやってきたことを全部からっぽにして、ゼロから対話をしていくということです。「今世の中でこのような問題が起こっていますが、それについてどう思いますか?」、「僕はこう思います」、「でもそれってどこかのニュースで見た意見じゃないですか?本当に自分の意見ですか?」などこのように深く話していくことが考える力をつけていくことに繋がっていくと思います。そのような話を今後していきたいなと思ってます。

ありがとうございました。

―ありがとうございました。


入社後のステップ

・入社後PRチームに所属
・入社後2週間でコンテンツ作成の質が認められ、チーフコピーライターに昇格
・チーフコピーライターとして業務を行う傍ら、物事の本質を捉える考え方など他のインターン生全体の教育メソッドを立ち上げる
・その後ライターとしてのキャッチコピー作成能力が認められ、新サービス「GOunite」の広告コピー作成、カリキュラムの文書化を担当

メンターの声

代表取締役/クリエイティブディレクター 福本真士

東妻くんは面接時に話していた時から、他のインターン生との思考の深さがありました。実務に入っても自分自身でその能力を最大化させるポイントに気づき、自身で高めていくことができていたと思います。その姿は他のインターン生にも良い影響を与え、社内の活性化に大きく貢献してくれています。現在はその信頼からインターン生でありながらも重要なポジションを自分自身で獲得し、突き進んでくれています。今後も社内外から勝手に評価の声が上がるように、自身でより高めていってほしいです。