どうすれば、記事の質を意識してもらえるか

大路康輔

同志社大学 文学部

ー2019年3月卒

PROFILE

1度目の就活で失敗し、留学するか迷っていたものの、行ってみた未来電子の面接に通ったことを受けて、長期インターンを始める

編集部―ライターが書いた記事の校正を行うため、未来電子の中でもずば抜けた文章力を持つ集団―そんな編集部を束ねるリーダーともなれば、もうそれは凄まじい文章力を持っているはず。今回は、そんなイメージ通り、言語学を研究する傍ら、編集部でリーダーを務めており、6月度のNo.1インターン生でもある大路さんにインタビューします。

 

就活ミスって、飛び込んだ先は未来電子

 

―自己紹介をお願いします!

 

大路康輔です。今で10ヶ月目ですね。多分。笑 6以上数えられない病にかかっているので。笑 もう長いですね…怖い。笑

 

―ベテランですね。笑 そもそも、大路さんが未来電子に来た理由ってなんですか?

 

えー…。笑 状況を説明する必要がありますね。簡単に言えば、未来電子に来た段階で、就活ミスってるんです。笑 なので、2回目の就活をすぐ始めようか、留学しようか、どうしようかなって悩んでたんです。

ただ、いずれにせよ、今の自分のままじゃやばい、キャリア考え直したいって思ってたら、未来電子の面接に通ったっていう。笑

 

僕は文学部なんで、会社がどう、企業がどうとか知らなかったですし、周りにもそんな人がいなかったんで、一切想像できなかったんですよね。生の現場をみて、そういったことを知らないと、働く姿もイメージできないですし、そんな状態では企業選びもできないな、と思って面接に来ました。

 

―僕も教育学部だったなので気持ちはわかります。周りが就活をイメージしてるかどうかってかなり重要ですよね。笑 入ってからはどんな流れで業務をやってきたんですか?

 

昨年(2017年)の10月に入って、2月までライターをずっと続けてました。GOuniteもいきましたけど…笑。 そして3月からはずっと編集部ですね。

 

―イメージ通り、本当に文章・記事と向き合い続けている10ヶ月間ですね。笑 ライターやってた期間が、5ヶ月ぐらいで、その後編集部に抜擢されることになると思うんですけど、それはやりたいです!って言ってたんですか?

 

声をかけられました。笑 普通に業務してるときに、鈴木さんから、「大路さん、編集部来ませんか?」って言われて。「え?ちょっと考えさせてください…」って言いました。笑 就活もあったし、3月以降ってどうしようかな…ってちょうど思ってたところだったので。(未来電子に入ると半年勤務する必要があります)でも期待されたら全て受け入れていくスタイルなので、「記事の質がいいから」って言ってもらったこともあって、結局引き受けました。

 

―自分もライティング講習会で教わったことがありますし、大路さんの記事の質が優れていることは知っているんですけど、それはなにを心がけているからだと自分では分析してますか?

 

1つは、単純に言葉の能力の部分があると思います。僕は大学では言語学っていうのを専攻していて、日本語の表現技法とかも研究対象なので。笑 そして、英文学科なので、英語のライティングの作法も生きてますね。英語のライティングって、猿でもわかるレベルに、わかりやすく平易に、構造的に書くことが重要なんですね。それを日本語に落とし込んで記事を書いてたのも大きいと思います。

 

もう1つは、僕のポリシーですね。僕はずっと、読み手がどう求めてるかな、思うかな、どう考えるかな、文章を読んでどう感じるかな、っていうのをすごく気にしてきたんですね。

キーワードがあって、関連する情報を並べるだけの記事を書いたところで、読んだ人には何のメリットもないな。て思ってて。笑

そういう相手のことを考えるってくせはずっとあったんです。それなりにお高い料理屋で接客業のバイトをして、色々考えさせられた結果かもしれません。笑

 

―英語のライティングの話、同感です。論理的な文章を書く力ってどこで身につくかっていうと小学校の作文より、英作文な気がします。英語は結論ファーストですもんね。語順とかを意識することを覚えるのも英語。やっぱ語学学習って意義がありますね。専門家に共感できてよかった。笑

 

編集部として積んできた貢献が評価されリーダーに、No.1インターン生に

―では、編集部に入って感じたことってなにかありますか?

 

まずは意識の差ですかね。編集部に入って初めて、他の方が書く記事を読んだんです。そのとき、記事に対する向き合い方って結構差があるんだな、って思いました。そうなっているのは、成果指標が量にあることが大きいので、質を評価できる仕組みがあればな、と思いました。

 

編集部の他の方に言ったら、「そうだよね」って言われたのを覚えています。笑 編集部の方はずーと悩んでいる問題だったんですね。今も。笑 量は定量的に客観的に評価できますけど、質は定性的なのでなかなか評価しづらいですからね…。なにがいい記事か、っていうのを明確に言語化できていないし、編集部の中でも定義に多少の差があるのも、この問題を難しくしていると思います。

 

―編集部としてやっていく中での難しさってやっぱり、質をどう評価するか、っていう点になってくるんですか?自分もライターをしてるとき、質への評価なきブログ執筆に違和感を感じてたので共感できるんですけど。笑

 

うーん、もっと手前、根本的な部分ですね。質を評価する仕組みを検討しているのも、そもそもは、記事の質をライターの方々にどうすれば意識してもらえるかっていうところだと思うので。その点が果たせれば、別に質を評価しなくてもいいんですよ。笑

 

―確かに。笑 早速自分の論理の甘さがバレてしまった…笑 では、質を意識してもらうってところでは、編集部としてどんなことをやってきたんですか?

 

質を意識してもらうっていう話で言えば、先月はリライトを非常に多く出しました。リライトの条件にあるものの中でも、修正が簡単なもの、すなわち、キーワード抜けとか、編集部がすぐに対応できるものはこれまでリライトにしてこなかったんですけど、先月はリライトにしました。お役所仕事みたいで嫌でしたけど。人事評価にリライトが入ったこともあって、結果、リライトならないようにしようっていう意識は高まっているのかな、と思います。

 

―そうした試みの中で、大路さん自身が音頭をとってやったことってなにかありますか?

 

基本新しいことをしてるタイプじゃないんですよね。人がやっていて、すでにあるものを整備して、実行できるようにするって感じです。ライティングインテリジェンス会とかも、誰かが言い出して原型はあったんですけど、実行したのはほとんど僕です。笑

 

あとコーチングも、京都は僕が日程組みましょうか?って当時の編集長の宮川さんに声かけたりとか。そういうところですね、僕が貢献したのは。笑 あんまり新しいこと、大きいことをしたいとは思わないし、向いてないと思います。

 

―注1:ライティングインテリジェンス会とは…普段、ライター同士互いの記事を見る機会はあまり多くありません。そこで、ライター複数人と編集部で1人のライターの記事を見て、感想や学びを言い合い、次に生かしていく会です。めちゃくちゃ楽しいです。会心の出来の記事に発表の機会が与えられます。少し気が緩み始めたときに会が始まると動悸が速くなります。

 

―注2:コーチングとは…新米ライターさんや、リライトを出してしまったライターさんに対して編集部がアドバイスする機会です。これがないと同じミスを繰り返してしまう場合がありますからね。

 

―なるほど。大路さんのキャラからいって納得しやすい話ですね。笑 じゃあ、これからは編集部のリーダーとしての業務に関して伺っていきます。

ー具体的にはどんなことをしているんですか?

 

多いですよ。笑 まずは、一般的なリーダーと同じく、メンバーの管理ですね。編集部全員との面談と、コミットメントシートの記入とか。そして、普通のリーダーとは違うのが、リライト率の管理とか、編集部全員のコーチングの設定とかですね。シフトを見ながら編集部全員の「いつ」「誰の」コーチングをやってもらうか決めていきます。そして、編集部の一員として、校正のノルマもこなす必要があります。あと、ライティングテストの判定・フィードバックもですね。話してるうちに、改めて多いなって思いました。笑 数字の仕事とか誰かに振りたいぐらい。笑

 

―注3:ライティングテストとは…ライターにはランクがあります。ABC課題を終了し、入社してまず受けるのがアシスタントライターテストです。そしてその後は、コピーライターテスト、チーフコピーライターテストのように上がっていきます。このランクは、任される業務の幅や給与を大きく左右するため、重要なんです。

 

ー大変すぎる…笑。入って5ヶ月ライターやって、記事の質が認められて編集部に入って、そこでも縁の下の力持ち的貢献を重ねて編集部のリーダーに…っていう美しいインターンのキャリアを歩んで来られたと思うんですけど、インターンで得たものってなんですか?

 

大したことじゃないですけど、一番大きいのはやっぱり、社会人っぽい感覚じゃないですかね。ビジネスっぽい感覚というか。当たり前なんですけど、ちゃんと約束守るとか、学生気分だとついつい忘れちゃうじゃないですか。笑

あと、PDCAをちゃんと回さないといけないな、ってところ。漫然と過ごしていてもなにも変わらないし、改善されないってことを知りました。笑 まだ発展途上ですけど。

 

ーなるほど。確かに、PDCAをしっかりと回していかないと進歩がないですよね…大事だ…これからの目標を聞かせてください!

 

目立たずに影からフォローしていく。交通整理みたいなことをこれからもやっていきたいですね。好きですし。笑

 

自分の中でマネジメントはうまくやれてないから、もっとうまくやりたいって思ってますね。やれたら面白いなとも思ってます。

 

―あの編集部のリーダーですし、マネジメントバリバリやってるんだと思ってました。笑

 

いや、全然そんなことないです。笑 日々、人多い〜自分の管理でも精一杯なのに人の管理なんて…ってなってます。笑

 

ーじゃあ最後にインターンを迷っている方に向けて一言お願いします!

 

迷っているならやってみたほうがいいと思います。自分も迷ってました。就活するか、留学いくか、とか。でも得るものはあったので。笑

そして、入ったらあきらめずに続けて欲しいです。つらいこともあると思います。この業務なんのためにしてるんだろう、とか。そんなときは、なんでこれをしてるのか、自分の視点ではなく、より広い視点で見て、考えてみると意味がわかってきますね。

 

―今日は長い間ありがとうございました!


入社後のステップ

入社後、半年ほどライターとして質の高い記事を量産。その功績が認められ、今年3月から編集部に所属し、記事の校正、ライターの管理に貢献。その貢献が認められ、編集部のリーダーに、6月のNo.1インターン生賞を受賞。